ストレッチやマッサージを自らやって悪化させた股関節痛の改善例
【患者】50代前半 女性
【主訴】約2年前から左の股関節が痛くなって階段の上りが辛く、寝ていても痛い。
【現病歴】約3、4年前から股関節が硬くなっていたのを実感していたが、約2年前から誘因なく左股関節周辺が痛くなり、リラクゼーションの仕事をしている関係で、自分でストレッチやマッサージをして改善を目指していたが、かえって悪化してしまい、今では安静時にも痛みがある。
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【現症】股関節の周囲全般に痛みはあるが、特に大転子周辺から臀部にかけての痛みが強く、蹲踞や坐位からの起立動作時や階段昇降動作の昇段時に痛みが増大する。
就寝時など安静時痛もある。
明らかな股関節の可動制限はないが
本人の主観として動かしにくさを感じている。
【施術と結果】本症例は股関節周辺の痛みを約2年前から誘因なく発症している事からも、軟部組織の損傷によるものではないと判断し、股関節周辺の筋緊張が要因であると考えた。触察により、股関節周辺の筋緊張を確認した。また、股関節周辺の筋緊張の要因として腰部の筋緊張があると判断し、触察にて腰部の筋緊張も確認した。
先ず、一番痛みを訴えている大転子周辺の近位腸骨陵周辺を触察し、筋緊張部位を確認し、緩消法を約1分行った。筋弛緩を確認し、左股関節における坐位からの起立動作の痛みが10から7(NRS改変)になった。次に第4腰椎高位の左広背筋辺りの筋緊張部位を触察にて確認し、緩消法を約1分行い、筋弛緩を確認した。
その結果、左股関節周辺の安静時痛の痛みは10から0(NRS改変)になり、坐位からの起立動作時痛は10から5(NRS改変)になった。
さらに腰部側面の筋緊張を触察にて確認し、緩消法を約30分行った。
筋弛緩を確認し、その結果、左股関節における坐位からの起立動作時痛は10から2(NRS改変)になった。また、主観として股関節の動きが良くなって、動き易くなったとの報告を受けました。
さらには緩消法の効果に感激され、ご自身の痛みが無くなった後には、緩消法を勉強して自分も痛みでお困りの患者さんを助けてあげたいと、おっしゃっていました。