【患者】60代前半 女性
【主訴】1ヵ月くらい前から、座っていて立つ時に右足の外側全体が痛くて、立ち上がるのがつらい。
【既往歴】-
【現病歴】約1ヵ月前より、座位からの起立動作で右下肢外側に痛みが生じるようになった。以降次第に悪化し、現在では安静時でも右大腿部外側を中心に軽度の痺れのような症状が有る。20日程前に近医整形外科を受診し、腰椎椎間板症と診断され、リハビリ加療を受けた。その後も痛みは悪化の一途をたどった為、来院日当日に近医整形外科を再受診したところ、腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛と診断を受けた。原因がよくわからないと知人に相談したところ当院を紹介されすぐに来院。
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【現症】安静時に右大腿部外側に軽度の痺れ有り。座位からの起立動作で右下肢外側全体に軽度の痛みが生じる。左右側屈動作、特に右側屈動作で右下肢外側に強い痛みが生じる。
【施術と結果】本症例は、誘因無く右下肢外側の痛みを発症しており、近医整形外科での診断結果からも外傷を起因とした症状ではないと考えられる為、右下肢外側の筋緊張による血行不良が痛みの要因と考えた。
先ず、痛みを訴える部位が広範囲に及ぶ為、その範囲の直上の腸骨稜周辺を触察したところ筋緊張を確認し、緩消法を約5分施術し筋弛緩を確認。結果、右側屈動作での右下肢外側の痛みが10から7(NRS改変)と小さくなった。改善が見られた為、続けて同部位周辺に緩消法を約25分施術し筋弛緩を確認。結果、右側屈動作での右下肢外側の痛みが10から3(NRS改変)と小さくなった。
施術終了時には座位からの起立動作と左側屈動作で生じる右下肢外側の痛みは10から0(NRS改変)と消失し、主観により安静時の右大腿部外側の痺れは約9割減少し、ほぼ感じられなくなったと報告を受けた。
右下肢外側の痛みの原因が筋緊張であることを実感していただき、原因がわかって安心した様子だった。