【患者】60代前半 女性
【主訴】起床後、突然右腰(背中の中心より少し下)に痛みが出る。原因に心当たり無く湿布を貼る。翌日には痛みが増してきて、前屈、寝返り、体を捻ると特に痛みが増し、座っていても痛む。動かさずに寝ているときだけ痛まない。
【既往歴】高血圧 糖尿病
【現病歴】一週間前に痛みだし、翌日には痛みが増す。現在まで痛みが軽減することなく続いている。右背部全体に筋肉の引張感が強く、押すと電気が走ったような痛みが出る。
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【現症】胸腰部の関節可動域(以下、ROM)は自動で、屈曲約15°・伸展約10°・左側屈約20°右側屈約15°で第11胸椎(以下T11)から第2腰椎(以下L2)辺に痛みが発生する。左記辺の筋硬結部位の左右高低差約1.5cm。施術前の押圧深は左約4cm約右2cm。
【施術と結果】本症例は、胸腰部伸展・屈曲、左右側屈動作にて屈筋側である右腰背部に痛みが発生することから、痛みを訴える部位に筋硬結があると推測した。
最も痛みを訴える部位がL1高位で棘突起から右外側へ約1cmの部位であり、触察したところ、筋硬結のようなものを確認。緩消法にてL1上下(T12からL2)の筋硬結とみられる箇所に約5分施術し筋弛緩を確認。押圧深は左約6cm約右5cm。結果、胸腰部ROM自動で屈曲約25°伸展約20°・左側屈約30°右側屈約20°と大きくなり、痛みは10から6(NRS改変)へと小さくなり、引張感は主観で2割減少したと報告を受けた。