【患者】50代前半 女性
【主訴】腰から太ももの裏にかけて座っているだけでも酷い痛みがある。
【既往歴】―
【現病歴】約10年前から肩こりや腰痛があり、増悪と寛解を繰り返していた。約3か月前から腰痛と右臀部から大腿部後面にかけて電気が走るような痛みが顕著になり、約1か月前に近医整形外科を受診。レントゲン検査をしたところ第4腰椎(以下、L4)と第5腰椎(以下、L5)の隙間が狭く映り、鎮痛薬を処方され約1か月間服用している。特に長時間の座位で痛みが増大する。
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【現症】L4棘突起から右外側2横指の脊柱起立筋周辺の深層部の痛みと右臀部の表層部に痛みが出現。施術当日は大腿部後面の痛みは寛解しており、日常生活上の胸腰部可動域制限は確認出来なかった。
【施術と結果】本症例は、腰部から右臀部にかけて痛みが出現しており、触察にて痛みを訴える部位の腫脹及び熱感が感じられないことから、その要因として腰部筋群の筋緊張による血行不良が痛みの要因と考えた。
はじめに、痛みを訴える右臀部の直上である腸骨稜周辺を触察したところ、筋緊張を確認した。筋緊張部位に緩消法を約5分施術し筋弛緩を確認した結果、右臀部の痛みは10から7(NRS改変)と小さくなった。改善が見られたことから、さらに同部位周辺の筋緊張部位に約5分施術し筋弛緩を確認した結果、痛みが10から3(NRS改変)と小さくなった。
次に、L4棘突起から右外側2横指の脊柱起立筋周辺の痛みと右臀部の痛みを誘発しているのは、腰部筋群の筋緊張が要因と考え腰部側面を触察したところ、筋緊張を確認。筋緊張部位に緩消法を約10分施術し筋弛緩を確認した結果、L4棘突起から右外側2横指の脊柱起立筋周辺の痛みは10から7(NRS改変)と小さくなった。改善が見られたことから、さらに同部位周辺の筋緊張部位に約30分施術し筋弛緩を確認した結果、L4棘突起から右外側2横指の脊柱起立筋周辺の痛みと右臀部の痛みが10から0(NRS改変)と消失した。
後日「施術中は殆ど刺激がないのに、酷かった腰痛が緩和され、翌日以降も持続していることに驚いた。鎮痛薬をずっと飲み続けるという不安も解消された」と喜びの声を頂いた。