血行不良による手の冷えの改善例

【現症】触察にて左手指の冷えを確認。また、左上腕骨外側上顆周辺部に限局した痛みが発生。目視にて、手指の皮膚色は良好。運動麻痺なし。
【施術と結果】本症例は、左手指の冷えを訴えていることから、左肘関節周辺の筋緊張による血行不良が要因と考えた。また、左上腕骨外側上顆周辺部に限局した痛みを訴えており、反回骨間動脈の圧迫が手指への血行不良を誘発していると考えた。
　 はじめに、左上腕骨外側上顆周辺部の限局した痛みを訴える部位を触察したところ筋緊張を確認した。緩消法を約1分施術し筋弛緩を確認した結果、左上腕骨外側上顆周辺部の痛みが10から5（NRS改変）と小さくなり、主観により「指先が少し温かくなった」との報告を受けた。
　 次に、左上肢の動脈の根幹である左鎖骨下動脈の圧迫が左手指の冷えを誘発していると考え触察したところ、左鎖骨下動脈と思われる拍動部位周辺に筋緊張を確認した。筋緊張部位に緩消法を約2分施術し筋弛緩を確認した結果、左上腕骨外側上顆周辺部の痛みが10から3（NRS改変）と小さくなり、主観により「血が流れた感じがする」との報告を受けた。
　 次に、左手指の冷えの要因および再発抑制のためには、腰部の筋緊張を弛緩する必要があることを説明し触察したところ、第2腰椎（以下、L2）高位の左側腹部に筋緊張を確認した。L2高位の側腹部に緩消法を約20分施術し筋弛緩を確認した結果、左上腕骨外側上顆周辺部の痛みが10から0（NRS改変）と消失し、触察にて左手指の冷えが改善されていることを確認した。「夜勤明けで身体が怠かったが、上肢がポカポカして身体が軽くなった」と喜んで頂けた。