【患者】70代後半 男性
【主訴】
5ヶ月前の腰の手術の後からずっとお尻の上の方が痺れているような痛みがある。
【既往歴】腰部術後(約5ヶ月前)
【現病歴】
約5ヶ月前の腰部術後から近医整形外科にてリハビリを行なっていたが、臀部の上部に痛みがある。約2ヶ月前から仕事に復帰し、仕事で長時間の座位の後、立位への移行する動作で痛みが出現する。しばらく歩行すると少し痛みは少なくなるが、歩行を続けると臀部上部に痛みが出現する。
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【現症】
約5ヶ月前の腰部の術後は安静時痛があったが、現在は腰部の安静時痛は認められない。長時間の座位の後、座位から立位へ移行する動作で臀部上部に痛みが発生する。また座位での胸腰部伸展約5°で臀部上部の痛みが増大する。
【施術と結果】
本症例は臀部上部の痛みを訴えており、腰部の筋緊張が痛みの要因と考えた。
腰部側面を触察したところ、筋緊張を確認し、約2分緩消法を行い筋弛緩を確認した。その結果、座位から立位へ移行する動作での臀部上部の痛みは10から8(NRS改変)と小さくなった。痛みに変化があったためさらに腰部側面を約10分緩消法を行い、腰部側面の押圧深は約1.5㎝から約3㎝となり、座位から立位へ移行する動作での臀部上部の痛みは10から2(NRS改変)と小さくなり、座位での胸腰部伸展約5°での臀部上部の痛みも10から5(NRS改変)と小さくなった。座位での胸腰部伸展約5°での臀部上部の痛みを訴える箇所の上方に約5ヶ月前の手術痕があるため、触察したところ、手術痕自体に触察による痛みはないが手術痕周辺に盛り上がりが確認できるため、手術痕周辺の筋緊張が座位での胸腰部伸展約5°での臀部上部の痛みの要因と考え、約5分緩消法を行い、筋弛緩を確認した。
その結果、座位での胸腰部伸展約5°での臀部上部の痛みは10から0(NRS改変)と消失した。また、座位から立位へ移行する動作での臀部上部の痛みは10から0と消失し、上半身を伸展屈曲を何度か試して「痛みが出ない」と喜んでいただけた。