【患者】50代後半 男性
【主訴】昔から首が痛くて、2か月に1回程のペースで片頭痛が起き、痛みが1週間程度続く。
【既往歴】-
【現病歴】10年以上前から頚部に鈍痛が有り、約2か月に1回の頻度で片頭痛を伴う。片頭痛が起きると痛みは約1週間続き、その期間は市販の頭痛薬を服用する。無意識に歯を食いしばっていることが多く、ご家族には睡眠時に歯ぎしりをしていると指摘された。複数の病院に行ったがいずれも異常無しと診断された。
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【現症】頚部全体に安静時痛有り。頚部右回旋動作で頚部の痛みが増悪し、頚部関節可動域(以下、ROM)は自動で右回旋約30°でROM制限を確認。
【施術と結果】本症例は、10年以上頚部の痛みが継続しており、病院でも異常無しと診断されていることから、頚部の筋緊張が要因と考えた。
先ず、頚部右回旋動作で最も痛みが増悪する部位を指1本で示してもらったところ、右胸鎖乳突筋中央周辺を示した為、触察により同部位の筋緊張を確認し、緩消法を約40秒施術し筋弛緩を確認した結果、頚部右回旋動作での頚部の痛みは10から8(NRS改変)と小さくなったが、頚部ROMに変化は見られなかった。痛みに改善が見られた為、続けて同部位周辺の筋緊張部位に緩消法を約2分施術し筋弛緩を確認した結果、頚部右回旋動作での頚部の痛みは10から5(NRS改変)と小さくなり、頚部ROMは自動で右回旋約45°と大きくなった。
頚部右回旋動作で最も痛みが増悪する部位が、第4頚椎棘突起から左外側に約2cm周辺に移動した為、触察により同部位の筋緊張を確認し、緩消法を約1分施術し筋弛緩を確認した結果、頚部右回旋動作での頚部の痛みは10から3(NRS改変)と小さくなり、頚部ROMは自動で右回旋約60°と大きくなり、日常生活上の可動域制限は確認できなくなった。
施術終了時には、「頭がすっきりしたのでもう頭痛が出ないかもしれない」と喜びの声を頂いた。