【患者】40代前半 女性
【主訴】左脚を動かすと左のふくらはぎが痛い。
【既往歴】左ハムストリングス肉離れ
【現病歴】1週間ほど前に左ハムストリングス痛め、近医整形外科で軽い肉離れと診断された。2日前から左下腿後面に運動痛がある。
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【現症】左下腿後面が伸長されると運動痛あり。左膝関節可動域(以下、ROM)屈曲約90°における左足関節背屈強制時に運動痛が現れるが、左膝関節完全伸展位における左足関節背屈強制時には運動痛が現れない。
【施術と結果】本症例は左ハムストリングス負傷後に左下腿後面痛を発症しており、患部周辺を目視および触察で確認したが内出血や熱感は確認できなかったため、痛みの要因は筋緊張と考えて左下腿後面を触察したところ左下腿後面近位1/3周辺に筋緊張が確認された。
はじめに最も強い筋緊張が確認された左下腿後面近位1/3周辺に約1分施術し筋弛緩を確認した。その結果左膝関節ROM屈曲約90°における左足関節背屈強制時の運動痛は10から8(NRS改変)となった。引き続き同部位周辺に約3分施術し筋弛緩を確認した。その結果左膝関節ROM屈曲約90°における左足関節背屈強制時の運動痛は10から6(NRS改変)となった。さらに同部位周辺に約3分施術し筋弛緩を確認したが、左膝関節ROM屈曲約90°における左足関節背屈強制時の運動痛に変化は見られなかった。
十分な筋弛緩を確認できたが痛みに変化がなかったので、左下腿後面の痛みの要因は腰の筋緊張と考え腰部を触察したところ、第4腰椎高位正中から左に約7cmに筋緊張が確認されたので、同部位に約2分施術し筋弛緩を確認した。その結果左膝関節ROM屈曲約90°における左足関節背屈強制時の運動痛は10から2(NRS改変)となった。引き続き同部位周辺に約5分施術し筋弛緩を確認した。その結果左膝関節ROM屈曲約90°における左足関節背屈強制時の運動痛は10から0(NRS改変)となり消失した。