【患者】70代前半 女性
【主訴】首が痛くて病院に行ったら頚椎ヘルニアなので手術すると言われたが、首の手術は危険だと家族に反対された。
【既往歴】右膝人工関節置換術後(2017.7)左膝人工関節置換術後(2018.4)
左上腕骨骨折(2018.11)
【現病歴】2018年11月の左上腕骨骨折から頚部左側から左肩関節にかけて引張感を感じており、頚部左側に痛みを感じるようになった。近医整形外科を受診したところレントゲン撮影にて頚椎ヘルニアありと診断され、手術を勧められたが、家族から首の手術は危険だからと反対されている。
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【現症】頚部左側に安静時痛あり。頚部関節可動域(以下、ROM)自動で屈曲約15°、伸展約10°、右側屈約10°、左側屈約30°と可動域制限あり。
【施術と結果】本症例は頚部左側の痛みと頚部左側から左肩関節にかけての引張感を訴えており、頚部の可動域制限もあることから、頚部周辺部の筋緊張が要因と考えた。
まず、頚部背側を触察したところ、頚椎の左右の僧帽筋周辺に筋緊張を確認したため、左右約2分ずつ緩消法にて筋弛緩を行った。その結果、頚部ROMは自動で屈曲約30°、伸展約20°となった。頚部左側の痛みは10から7(NRS改変)と小さくなった。
次に頚部左側の胸鎖乳突筋周辺と触察したところ、乳様突起周辺に筋緊張を確認し、約2分緩消法にて筋弛緩を行った。その結果、頚部左側の痛みは10から2(NRS改変)と小さくなった。頚部右側屈約20°となり、主観で頚部の軽快感を感じると感想をいただいた。
本人の希望により、施術は以上で終了したが、「手術しなくても痛くなくなるですね。」と喜んでいただけた。