オートバイ運転時の掌握動作の連続で発痛した左手関節拘縮の改善例
【患者】60代後半 男性
【主訴】左手がこわばって痛みを伴い握れない。
【既往歴】-
【現病歴】前日にオートバイの運転練習を約4時間行っていた際に、掌握動作の連続で左手関節周辺が痛くなり、掌側にはこわばりを自覚するようになった。練習終了後は自分でグローブを外せなくなる程の筋力低下を認めた。
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【現症】1日経過し、寛解傾向にあるが、左手の掌握動作はこわばりを自覚するままで、上腕全体に倦怠感が残存している。 手関節可動域(以下、ROM)制限は確認できないが、背屈動作は掌側に引張感が強く出ると報告を受けた。
【施術と結果】本症例は、左手の連続した掌握動作後のこわばりと痛みを訴えており、目視・触察にて熱感、腫脹は確認できなかった為、こわばりと痛みの要因は上腕周辺の筋群の筋緊張によるものと推測した。
先ず、背屈動作で掌側に引張感が強く出ると報告を受けていた為、上腕の屈筋群を触察し、浅指屈筋、橈側手根屈筋に筋緊張を確認した。同部位に約1分づつ、計約2分施術し筋弛緩を確認した結果、引張感はご本人主観で約5割減と報告を受けた為、更に約5分施術範囲を拡げて行った結果、上腕の引張感は消失し、痛みも10から0(NRS改変)と消失し、手指の掌側のこわばりのみとなった。次に、左掌のこわばりを自覚する箇所(主に浅指屈筋)に対して約10分間、確認と施術を約繰り返して行った結果、こわばりも消失したと報告をうけた。
上腕の伸筋群の筋弛緩も必要ではないかと推測していたが、屈筋群の筋弛緩のみで結果の出た症例であった。