【患者】40代後半 女性
【主訴】ソファや椅子から立ち上がるときに腰に痛みが出る。足が上がりにくく摺り足になる
【既往歴】ー
【現病歴】3日前に床に落ちていたものを拾うために屈んだ際に腰部左側から右側に向かって第4腰椎(以下、L4)高位周辺に痛みが走るように生じ、暫くそのまま姿勢維持していた。安静時痛が落ち付いてから立ち上がり、歩行時痛は無かったが、フローリングの床を歩行していると軽度の摺り足になっていることに気づいた。また、ソファや椅子などの椅坐位から起立動作時に発痛がある。
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【現症】歩行時の軽度の跛行、L4棘突起周辺に動作時痛。椅坐位からの起立動作時に仙腸関節左側に発痛。
【施術と結果】本症例は、歩行時の軽度の跛行と椅坐位からの起立動作時に痛みを訴えており、目視・触察にて熱感や腫脹が確認できなかったことから、要因は胸腰部の急な前屈動作による筋緊張が要因と推測した。
触察にて、腰部側面の押圧深約2cmに筋緊張を確認。約2分施術を行い、押圧深約2.5cmまで筋弛緩した結果、L4棘突起周辺の動作時痛は10から7(NRS改変)となった為、押圧深約4cmになるまで約10分施術した結果、L4棘突起周辺の動作時痛は10から3(NRS改変)となり、仙腸関節左側の痛みも10から5(NRS改変)となった。押圧深約6cmになるまで筋弛緩したが、これ以上痛みに変化が出なかった。次に、腰部側面の腹側から上前腸骨棘周辺を触察し、上前腸骨棘より内側に約3cmの所に筋緊張を確認した。この筋緊張は鼠経靭帯周辺までみられたため、仰臥位にて施術を行うこととした。筋緊張部位を近位から遠位にかけて左側を約8分、右側を約5分施術した結果、跛行は感じられなくなったとご本人から報告を受けた。
最後に、L4周辺の起立筋に対して約5分施術を行い、筋弛緩を確認した結果、L4棘突起周辺の動作時痛は10から0(NRS改変)と消失し、仙腸関節左側の痛みも10から1(NRS改変)となった。