【患者】50代後半 女性
【主訴】太ももの前側から膝の皿上の痛み、多少の重だるさ
【既往歴】-
【現病歴】
一週間前のダンスレッスン中にジャンプをして、左膝関節を伸展させたまま着地してしまった。その際に違和感があったが、そのまま続けた。帰宅後、大腿直筋に発痛が出始めた。一週間経ち左膝蓋骨上縁に痛みが移ってきた。
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【現症】
跳躍、正座は可能だが、左膝関節可動域(以下、ROM)自動、約100°で大腿直筋中位から左膝蓋骨上縁に発痛。
来院直前にもダンスレッスンを受けてきた。
【施術と結果】本症例は、ダンスレッスン中より発症した左大腿直筋から左膝蓋骨上縁にかけての左膝関節屈曲時の痛みを訴えており、外傷も考えられたが、目視・触察にて熱感や腫脹は確認できなく、寛解傾向であり、運動も可能であることから左膝関節の伸展状態での跳躍からの着地時に急激な荷重による筋緊張が痛みの要因と推測したが、施術の際に筋損傷の可能性も考慮し、痛みの程度を充分に確認しながら進めていくこととした。
先ず、左大腿直筋を触察し、下前腸骨棘下縁の起始部周辺と、痛みを訴える大腿直筋中位から左膝蓋骨上縁に筋緊張を確認した。前述の事を考慮し痛みを訴えていない下前腸骨棘下縁の筋緊張部位から施術を行った。約2分施術を行い、筋弛緩を確認した結果、左膝ROM自動、約120°となり、痛みは10から2(NRS改変)となった。次に、膝蓋骨上縁の筋緊張部位に約2分施術し筋弛緩を確認した結果、左膝ROM自動、約130°となり、可動域制限、痛み共に消失した。
大腿直筋中位の筋緊張を残存させたままであった為、大腿直筋近位より徐々に中位に向かって約10分施術を行い、中位の筋弛緩も確認した結果、ご本人主観で左下肢の倦怠感も無くなったと報告を受けた。