【患者】30代前半 男性
【主訴】仕事中、急に足の痺れから始まり呼吸困難になり、全身が硬直した。
【既往歴】椎間板ヘルニア 脊柱管狭窄症
【現病歴】過去に経験したことが無い呼吸困難症状(産業医からは過呼吸と伝えられ)から、全身が硬直し倒れて動けなくなり(同産業医からは、テタニー症状が出ていると報告を受けた。)近医総合病院へ緊急搬送される。
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【現症】手関節より遠位部に硬直があり、両母指ともに、示指と中指の間に入り込むような形で硬直し、意識的に動かせないとの事だった。
【施術と結果】本症例は、搬送先の医師から「精神的なものか、電解質の異常から起きたと考えられる。」と報告を受けるも、原因が明確でないものの、触察にて主に前腕屈筋群に筋緊張が確認、前腕部の筋弛緩を試みる事とした。
点滴室で左右にスペースがなかった事から、すぐに施術が出来る右前腕部から開始し、約1分で右母指が痙攣する様に動き出したので、確認すると硬直の強さは、主観で10から8と小さくなり「今は自分で動かそうとしてます。痙攣する様にですが動かせるようになった来ました。」と報告を受けた。
この事から、同部位への施術を継続する事とし、約5分で前腕部の屈筋群に痛みを感じながらも開握動作が可能になったと報告を受けた。ここで右手よりも左手が気になるとの事から、左へと移行した。左前腕部屈筋群にも触察し右前腕部と同様に筋緊張を確認し、緊張部位へ施術を開始した。約5分で筋弛緩を確認、母指の動作が可能となる。合計約30分の施術であったが、左右ともに通常の様に開握動作が可能になったので自分でトイレに行きたいと告げたところ、帰宅の許可が出た。
「先生に触っていただいたら、途端に血液が流れ、手の方が温かくなったのが分かった。緩消法は凄いですね。」と喜びの報告を受けた。
【その他】本症例は、病院に搬送された後、点滴処置もあり両脚は動くようになっていたこともあり、緩消法のみの効果であると断定はしにくいが、患者からの報告にもあるように少なからぬ効果があったと思われることから、報告する事とした。なお、患者は施術者が到着した時点では、寒気を訴え電気毛布を使用していたが、施術の最中から、発汗するほどに寒気はなくなったとの報告も受けている。