【患者】40代前半 女性
【主訴】昨日の朝起きた時から腰が痛くなって前に曲げる時と座っている時が辛い。
【既往歴】ー
【現病歴】約1ヶ月程前に誘因なく腰部痛になるも、自然に改善した状態であった。ただ前日の起床時に腰部痛が再発した。近医整形外科を受診しレントゲン検査の結果、骨には異常なしと説明された。
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【現症】痛みの現存する部位は左右仙腸関節周辺であり、痛みの左右差は認められない。痛みは椅子に座っている際の安静時痛と胸腰部屈曲時(胸腰部屈曲約20°で痛み発現)の動作痛である。それ以外の動作痛は認められない。
【施術と結果】本症例は急性腰痛の症状であるが、発症機転及び疼痛部位である左右仙腸関節周辺を目視、触察により熱感及び腫脹が確認できなかった為、痛みの要因は腰部の筋緊張による血行不良であろうと考えた。
先ず痛みを訴える左右仙腸関節の真上に当たる腸骨稜周辺の広背筋辺りを触察により筋緊張を確認し、同部位に緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した。その結果、椅子に座っている際の安静時痛は10から8(NRS改変)になり、胸腰部屈曲約20°の痛みは10から8(NRS改変)になった。痛みの変化が認められた為、引き続き腸骨稜周辺の広背筋辺りを約5分行い、筋弛緩を確認した。その結果、椅子に座った際の安静時痛は10から5(NRS改変)となり、胸腰部屈曲痛は20°での痛みは10から0(NRS改変)と消失した。ただ、胸腰部屈曲約45°で痛みが残存する。
その後、腰部の筋緊張が腰部側面から全体的に現存する事を触察により確認した為、完治を目指し腰部側面から筋弛緩していく方針にし、腰部側面を約20分施術し、筋弛緩を確認した。その結果、押圧深が約4cmになり、椅子に座った際の安静時痛は10から0(NRS改変)と消失し、胸腰部屈曲約45°の痛みも10から0(NRS改変)と消失した。
痛みがなくなった事で安堵の表情で帰路につかれた。