【患者】50代前半 男性
【主訴】背中が痛くて息がしにくい。いつも背中が突っ張っている感じがする。【現病歴】約4年前に交通事故に遭い、腹直筋周辺に激しい筋痙攣を何度か繰り返し発症した。体調不良を感じていたが、その約1年後、飲酒後にうたた寝をし身体に冷えを感じながら排尿後、意識消失で転倒し全身を強打した。救急搬送され入院したが、退院後も身体のいろいろな箇所に痛みを発症するようになり、近医整形外科を受診しレントゲン検査を受けたが異常なしと診断された。鍼治療やメンタルクリニックなどを受診し寛解するものの、すぐに再発する。
続きを読む
【現症】後背部中央、肋骨下部周辺に安静時鈍痛はあり、胸腰部関節可動域(以下、ROM)自動で屈曲約15°で後背部に引張感を伴なう痛みが発生する。
【施術と結果】本症例は、後背部中央肋骨下部周辺の痛みを訴えており、痛みの強い広背筋の肋骨下部周囲の筋緊張を緩消法にて約2分弛緩すると、後背部中央肋骨下部周辺の痛みは10から3(NRS改変)となった。
その結果、胸腰部ROM屈曲約15°の引張感を伴なう痛みは10から0(NRS改変)と消失し、胸腰部ROM屈曲約30°となった。次に、広背筋の肋骨下部周囲の筋緊張の一つの要因として腰部側面の筋緊張が考えられ、腰部側面の筋緊張を緩消法にて約15分弛緩すると、後背部中央肋骨下部周辺の痛みは10から0(NRS改変)となり、「背中が伸びて胸が開く感じがして、呼吸が楽になった。」と喜んでいただき、翌日電話にて「こんなに身体に変化を感じたのは初めてです。」との感想をいただいた。