【患者】50代後半 女性
【主訴】右腕が上がらない、上げようとすると痛む
【既往歴】―
【現病歴】約3週間前に自転車で転倒してから右肩が上げようとすると痛みが出現するため上げられなくなってしまった。時間の経過と共に改善すると思っていたが痛みが変わらないため当院に来院された。
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【現症】右肩関節可動域(以下、ROM)自動運動にて屈曲約80度、外転約80度で痛みが出現し、痛みによるROM制限有り。
【施術と結果】本症例は右肩関節の痛みを訴えており、目視しても組織損傷が確認できないため、痛みの要因を転倒時の衝撃による筋緊張と考え、触察にて右大胸筋と思われる筋周辺に筋緊張を確認し、緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、ROM屈曲約95度、ROM外転約95度に大きくなり、痛みが屈曲時と外転時共に10から8(NRS改変)に小さくなった。
次に腰部の筋緊張を減少させることで右大胸筋と思われる筋の筋緊張をさらに減少しやすくできると考え、腰部側面から第二腰椎高位腰部正中から約10cmまでにかけて緩消法を約15分行い筋弛緩を確認し、再び右大胸筋と思われる筋周辺に緩消法を約5分行い筋弛緩を確認した。その結果、ROM屈曲約120度、ROM外転約100度に大きくなり、痛みは屈曲時が10から5(NRS改変)に小さくなり、外転時は10から8(NRS改変)と変化がなかった。
外転時のROM制限と痛みの変化が小さいため、要因を棘上筋と思われる筋の筋緊張と考え、触察に棘上筋と思われる筋に筋緊張を確認し、緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、ROM外転約120度に大きくなり、外転時は10から5(NRS改変)と小さくなった。