【患者】70代後半 男性
【主訴】「ベッドから立ち上がるときに、右脚に力が入らなくて立ち上がり辛い。」
【既往歴】腰椎椎間板ヘルニア(2度手術歴あり)、右視床出血(左半身麻痺が残存)
【現病歴】約9か月前に右視床部の脳出血を発症し、約4か月間の入院加療を受けた。退院後は自宅での生活となり、入院中と比較してリハビリに充てる時間が減少した。その後、徐々に起立動作時の右脚の脱力感が顕著になってきたと同居の家族より報告を受けた。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】70代後半 男性
【主訴】「ベッドから立ち上がるときに、右脚に力が入らなくて立ち上がり辛い。」
【既往歴】腰椎椎間板ヘルニア(2度手術歴あり)、右視床出血(左半身麻痺が残存)
【現病歴】約9か月前に右視床部の脳出血を発症し、約4か月間の入院加療を受けた。退院後は自宅での生活となり、入院中と比較してリハビリに充てる時間が減少した。その後、徐々に起立動作時の右脚の脱力感が顕著になってきたと同居の家族より報告を受けた。
続きを読む【現症】自力でベッドから起立するためには、ベッド高を約65cmにする必要があるとのことであった。起立動作時には右脚に力が入りにくいとの訴えがあり、歩行器による支持を必要としていた。
【施術と結果】 本症例は、退院後にリハビリに充てる時間が減少し、その後徐々に症状が顕著になったとの経過から、活動量の低下に伴う筋緊張の増大が起立動作に影響している可能性を考えた。触察にて右上前腸骨棘周辺から鼠径部にかけて筋緊張を確認し、施術開始部位とした。
施術開始から約2分で弛緩を触知した。起立動作を確認したところ、それまで歩行器に両手で支持しながら行っていた動作が片手支持で可能になったと、同席の家族より報告を受けた。変化が確認されたことから、同部位への施術を継続することとした。
合計約15分の施術を行った。施術終了時は本人より横になりたいとの希望があったため、その場での起立動作の再確認は行わなかった。
その後、起床時に普段必要としていた約65cmではなく、ベッド高を約45cmにしていたことを忘れたまま起立動作を行い、自力で立ち上がることができたと家族より報告を受けた。
【考察】 本症例は、脳出血後の入院加療を経て、退院後にリハビリ時間および活動量が減少する中で徐々に顕著となった右脚の脱力感に対し、右上前腸骨棘周辺から鼠径部にかけての筋緊張を弛緩させることで、起立動作に変化が認められた一例である。
脳出血後という背景を有するものの、約2分の施術後に歩行器による両手支持から片手支持へと変化し、その後には起立に必要としていたベッド高約65cmから、約45cmでも自力で起立できたとの報告を受けた。短時間で筋力そのものが増大したとは考えにくいことから、筋緊張が力を発揮する際の動作を妨げ、本人が「力が入らない」と感じる一因となっていた可能性が示唆された。
【その他】本症例では、施術後の変化について本人の主観だけでなく、同居家族からも起立動作および支持方法の変化について報告を受けた。