【患者】50代後半 女性
【主訴】「1か月ほど前に転んで顔を打ったところの周辺が、最近、力が入らないことに気がついた。」
【既往歴】うつ病、弾発指
【現病歴】約1か月前、自宅階段で転倒した際に左顔面を負傷し、受傷部から多量の滲出液がみられた。約1か月の治療により傷は目立たなくなってきたが、その後、左頬周辺に脱力感があることに気がついたとの報告を受けた。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】50代後半 女性
【主訴】「1か月ほど前に転んで顔を打ったところの周辺が、最近、力が入らないことに気がついた。」
【既往歴】うつ病、弾発指
【現病歴】約1か月前、自宅階段で転倒した際に左顔面を負傷し、受傷部から多量の滲出液がみられた。約1か月の治療により傷は目立たなくなってきたが、その後、左頬周辺に脱力感があることに気がついたとの報告を受けた。
続きを読む【現症】左頬周辺の力の入り方について、健側を10とすると患側は主観で3程度との報告を受けた。また、受傷部周辺には引っ張られるような感覚があるとの訴えがあった。頬周辺の動きを目視にて健側と患側で比較したところ、健側を10とすると患側は7程度と観察された。
【施術と結果】 本症例は、受傷から2か月未満であることから負傷部位への直接的な施術は行わず、転倒時に同時に衝撃を受け、筋緊張が残存している可能性を考えた左頚部への施術を行うこととした。触察にて胸鎖乳突筋周辺に筋緊張を確認し、施術開始部位とした。
施術開始から約2分で弛緩を触知し、左頬周辺の脱力感は主観で3から4へと改善したとの報告を受けた。変化がみられたことから、同部位への施術を継続することとした。
続けて約5分の施術で弛緩を触知し、脱力感は主観で4から6へと改善したとの報告を受けた。さらに約5分施術を継続したところ、脱力感は主観で6から8へと改善したとの報告を受け、施術を終了した。
【考察】 本症例は、転倒による左顔面受傷後に自覚するようになった左頬周辺の脱力感に対し、受傷部位へ直接施術することなく、左頚部の筋緊張を弛緩させることで変化が認められた一例である。
施術前には健側を10とした場合、左頬周辺の力の入り方は主観で3程度であったが、左頚部への施術に伴い3から4、4から6、6から8へと段階的な改善が報告された。このことから、顔面の受傷そのものだけではなく、転倒時の衝撃に伴って生じた頚部の筋緊張が、左頬周辺の運動感覚に影響していた可能性が示唆された。