【患者】60代後半、女性
【主訴】指をシャリシャリとこすり合わせたような音が聞こえない。指パッチンは聞こえる。人の声も聴きづらい。
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】約2年前に発症し、症状が継続している。特に高周波数帯と思われる摩擦音が聴き取りづらく、日常会話にも支障を来している。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】60代後半、女性
【主訴】指をシャリシャリとこすり合わせたような音が聞こえない。指パッチンは聞こえる。人の声も聴きづらい。
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】約2年前に発症し、症状が継続している。特に高周波数帯と思われる摩擦音が聴き取りづらく、日常会話にも支障を来している。
続きを読む【現症】指をこすり合わせたような微細な高音域の摩擦音は聴取できないが、指を弾いた破裂音は聴取可能であった。
【施術と結果】本症例は、指の摩擦音(高音域)が聴こえない一方で破裂音は聴こえるという症状から、聴覚機能不全が起きていると推察した。触察にて耳介周辺の緊張を確認すると、耳介後方周辺の筋緊張や軟部組織の硬化と思われる場所を触知したため、そこを施術開始箇所とした。
まず施術者①の施術開始から約2分で弛緩を触知した。指の摩擦音の聴取はできなかったものの、呼びかけの声に対する反応が向上した。聴こえ方を確認したところ、「約2割増しで聞こえる感じがする」との報告を受けた。変化が見られたため、同部位への施術継続を決定した。
次に施術者②に交替し施術を継続した。約5分の施術で、それまで0だった指の摩擦音が主観で2割ほど聞こえるようになったとの報告を受けた。
その後、施術者①②で交替しながら合計約15分の施術を実施した結果、指の摩擦音が主観で7割まで聞こえるようになったとの報告を受けた。
【考察】本症例は、難聴が長期化(約2年)しているにもかかわらず、耳周辺の筋緊張および軟部組織の弛緩を促すことで聴力の改善が見られた一例である。特に、高音域の摩擦音という微細な聴覚情報に対する改善が確認されたことから、この種の難聴が耳周辺の血行不良や筋緊張性の要因に基づいている可能性を示唆する。慢性的な難聴に対する非侵襲的なアプローチの有効性を示すものである。
【その他】本症例の施術は施術者①(渡邉)と施術者②(筆者)が交替しながら行った。施術者が異なっても緩消法の効果が現れた症例であった。