【患者】40代後半、女性
【主訴】椅子に座ると仙骨の部分が痛くなる
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】30代半ばから腰痛持ちだった。当時、痛みには波があり、痛みが強い時には近所のカイロ・鍼・筋膜剥がし・揉みほぐしの施術などに行きながら経過をみていた。約8ヶ月前の昨年末に、特に誘因なく腰痛が増強。椅座位での仙骨部痛も出現するようになった。近医整形外科を受診し、レントゲンと腰椎MRI検査を実施。異常所見が無かったため、線維筋痛症からの痛みと診断され、数種類の内服薬処方を受けた。薬から脱却したいため、YouTubeで知った「緩消法」を体験したくて来院された。
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【現症】椅座位安静肢位にて、すぐに仙骨部に痛みが出現する。両下肢には痛みや痺れは認めなかった。
【検査結果】知覚鈍麻等の神経学的異常なし
【施術と結果】腰部のレントゲンやMRIで異常所見が無く、診察にて神経学的異常もないことから、筋性の痛みと考えた。痛みのある仙骨部の筋群は腰部と繋がっていることから、腰部の筋緊張亢進によるものと考えた。触診にて小指押圧深は約3cmであり筋緊張亢進が確認できたため、まずは腰部側面周辺の弛緩から試みた。
約2分後、腰部左右側面の若干の筋弛緩を確認。仙骨部の痛みは10から8(NRS改変)と小さくなった。
効果があったため、同部に施術を継続。約10分後、筋弛緩を確認。仙骨部の痛みは10から5(NRS改変)と更に小さくなった。
更に同部に施術を継続。約15分後、筋弛緩領域が増えたことを確認。仙骨部の痛みは10から0(NRS改変)と消失した。「楽っ!」と今までほとんど変わらなかった痛みが初回施術で減少したことに驚かれていた。
【考察】線維筋痛症は読んで字の如く筋肉由来の痛みであるため、緩消法による痛みの減少が期待できることが示唆された。