【患者】60代前半、女性
【主訴】右胸から首に掛けて、突っ張った感じと痛みがあって辛い。仕事に差し支えるときもある。
【現病歴】約5年前より右胸部から右頚部にかけての疼痛および引張感が間欠的に出現。最近になり頻度が増し、日常生活や仕事に支障をきたすことがあるため、施術を希望し来院。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】60代前半、女性
【主訴】右胸から首に掛けて、突っ張った感じと痛みがあって辛い。仕事に差し支えるときもある。
【現病歴】約5年前より右胸部から右頚部にかけての疼痛および引張感が間欠的に出現。最近になり頻度が増し、日常生活や仕事に支障をきたすことがあるため、施術を希望し来院。
続きを読む【現症】安静時に右胸部(鎖骨中央から下方約5横指)に圧痛を認める。また、同部位を起始とし、右頚部側方から前面にかけて疼痛および引張感を自覚する。頚部可動域には明らかな制限は認められない。
【検査結果】神経学的所見:特記すべき異常なし。
【施術と結果】本症例は、数年前から間欠的に出現していた右胸部・頚部の疼痛および引張感が最近になり頻度を増してきたと訴えており、腰部側面の筋緊張が症状に関与している可能性を考慮し、触察を行った。腰部側面に筋緊張は認められたものの、症状との関連性は明確ではなかった。最も症状が強く出現する部位を確認したところ、右鎖骨中央から下方約5横指の箇所であり、触察にて同部位の筋緊張が亢進していることを確認した。
まずは施術者①から開始。当該圧痛点に対し、約3分間緩消法を実施したが、自覚症状に変化は認められなかった。
次に、施術者②に交代。再度、同圧痛点に対し、約5分間緩消法を実施。痛みは10から9(NRS改変)と軽減し、引張感は主観で約2割減となった。
再度、施術者①に交代し、同圧痛点に対し、約5分間緩消法を実施。痛みは10から5(NRS改変)まで軽減し、引張感も主観で半減した。
その後、合計1時間15分の施術時間内で、胸部・頚部の筋緊張の軽減は触察で感じられたものの、腰部の筋緊張の影響と考えられる軽度の疼痛および引張感が残存した。患者に対し、自宅でのセルフケア(具体的な内容は割愛)を指導し、次回の施術継続を提案した。
【考察】症状の発生部位である右鎖骨下部の圧痛点(胸鎖乳突筋の起始部近傍と推察される)への緩消法施術が比較的早期に疼痛軽減および引張感の緩和をもたらした。疼痛部位への直接的な筋緊張緩和が重要であった症例と考えられる。
最終的に軽度の症状が残存したことから、広範囲の筋緊張残存や他要因が複合的に関与している可能性もある。
【その他】本症例は、当院にて、緩消法認定技術者の①渡邉②筆者の2名で順次施術を行った症例であり、施術者を変更しても緩消法の効果を確認出来た症例であった。尚、本症例の検査は施術者②が行った。