20年続く両脛から足関節甲側の痺れの改善例

【現症】思い出せるような誘因はなく、年月の経過とともに増悪傾向ではある。日によって痺れ感の強弱差はあるが常に痺れている。行動に支障は感じない程度。脛から足部甲側に発症していて、右側の方が痺れを強く感じる。

【施術と結果】本症例は、慢性的に続く両脛から足関節甲側にかけての痺れを訴えており、目視・触察にて熱感や腫脹は確認できかったことから、痺れの要因は筋緊張による血行不良が要因と推測した。20年以上続いていることから発症部位のみならず、鼠径部や腰部の筋緊張も起因していると推測し、症状の強い右側の鼠径部周辺から緩消法を施していくとした。

　先ず、腰部右側側面から上前腸骨棘鼠径部にかけて触察すると、上前腸骨棘から正中方向に約2cmの部位、鼠経靭帯下縁の大腿三角周辺に筋緊張を確認した。上前腸骨棘内側に約１分施術し、筋弛緩を確認した結果、痺れはご本人主観で約2割減少したと報告を受けた。そのまま約2分施術し、更に筋弛緩を進めたが変化が確認できなかった。

　次に、右鼠径部下縁の筋緊張部位に緩消法を施した。施術中から筋弛緩が進むに伴い、痺れ感が近位から消失していると訴えらていた為、そのまま約3分施術した結果、ご本人主観で脛の痺れは無くなり、甲側の痺れに9割消失したと報告を受けた。腓骨神経は膝窩を経由していることから膝窩を触察し筋緊張を確認、約1分緩消法を施し、筋弛緩を確認した結果、足関節甲側の痺れも消失したと報告を受けた。

　20年来の痺れのない感覚に大変喜ばれて、痺れが無いと何度も仰られながらお帰りになられました。