【患者】60代前半 女性
【主訴】右膝の内側が痛い
【既往歴】ー
【現病歴】約3年前に特に誘因なく右膝関節内縁周辺に痛みが発現した。痛みは常時ではなかったため、セルフケアをしていた。約4ヶ月前に右膝関節内縁周辺の痛みは増悪したため来院された。
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【現症】安静時痛あり。立位で安静時の約2倍の痛みを感じている。歩行時立脚中期に安静時の約4倍の痛みを感じている。右膝関節可動域(以下、ROM)は、自動で約30°の状態。
【施術と結果】本症例は、右膝関節内縁周辺に痛みを訴えており、目視、触察にて熱感は確認できなかったため、痛みの要因は右膝関節内縁周辺の筋緊張による血行不良と、右膝関節内縁の筋の筋緊張は延長上の腹部の筋緊張による血行不良が要因と考えた。
右膝関節内縁周辺は痛みが強いため、直接施術は行わず、痛みのない直上の腹部の筋緊張の弛緩の施術を考え触察すると、右腸骨稜の頂点部より約5cm腹部中央部で約2cmの幅で長さ約4cmの筋緊張を確認した。
右腹部の筋緊張部に約3分施術し、弛緩を確認し、痛みを確認したところ、右膝関節内縁周辺の痛みの安静時痛は10から0(NRS改変)と消失し、立位での痛みは10から7(NRS改変)と小さくなった。痛みの変化がみられたため、同部に緩消法を約15分行い筋弛緩を確認した。立位での痛みは10から3(NRS改変)と小さくなり、歩行時の痛みは10から5(NRS改変)と小さくなった。
痛みは残存していたが、腹部の筋弛緩を確認したため、施術部を右膝関節内縁周辺に移行することにした。右膝関節内縁周辺部に約3分施術し、弛緩を確認し、立位での痛みは10から0(NRS改変)痛みは消失し、立脚中期の痛みは10から2と小さくなった。右膝関節の自動屈曲ROMは約80°と大きくなった。
更に同部に約5分施術し、痛みの変化は確認できなかったが、自動屈曲ROMは約100°と大きくなった。
ここで別部位の施術希望があり施術を終了した。
痛みがでるかもと気にせず、歩けると報告頂いた。