【患者】40代後半 女性
【主訴】今朝から腰が痛くて歩くのも辛くしゃがめない。椅子に座ったり立ったりする動作が辛い。車の運転中の振動だけでも痛い。
【既往歴】―
【現病歴】今朝、突然腰部に痛みを発症したが、訪問看護の仕事があったため終了後に来院。毎朝起床時は腰痛で起き上がるまでに時間を要するが、身体を動かしているうちに寛解し、今まで仕事に支障をきたすことはなかった。今朝は起床時の痛みは少なかったものの、朝の身支度中に突然痛みを発症した。
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【現症】腰部から臀部にかけて安静時痛あり。椅子からの立ち上がり動作及び着座動作困難。また、しゃがみ動作ができない。
【施術と結果】本症例は、今朝発症した急性の腰痛だが、目視及び触察にて痛みを訴える部位の皮下出血や腫脹及び熱感がなかったため、腰部筋群の筋緊張による血行不良が痛みの要因ではないかと考えた。
はじめに、最も痛みを訴える第2腰椎から第4腰椎左右外方3横指の脊柱起立筋周辺に筋緊張を確認した。筋緊張部位に緩消法を約5分施術し筋弛緩を確認した結果、痛みが10から7(NRS改変)と小さくなった。改善が見られたことから、さらに同部位周辺から腰部側面の筋緊張部位にかけて約10分施術し筋弛緩を確認した結果、痛みが10から1(NRS改変)と小さくなり、立ち上がり動作及び着座動作がスムーズに行えた。
次に、両臀部の重だるさを訴えたため、両臀部直上の腸骨稜周辺の筋緊張部位に約5分施術し筋弛緩を確認した結果、重だるさが主観で7割減と報告を受けた。また、しゃがみ動作も可能となった。
施術前は歩行スピードも遅く何をするにもやっとの思いだったが、帰りは軽やかになり、安堵の表情を浮かべていた。