6ヶ月程前から悪化傾向にある左肩関節外転痛の改善例
【患者】50代前半 男性
【主訴】半年くらい前から左肩が痛くなり、整体とか鍼に通ったが悪化してきて最近では左腕が挙がらなくなってきた。
【既往歴】-
【現病歴】特に誘因なく約6ヶ月程前から左肩痛が発現した。当初は運動痛のみであったが、ここ2ヶ月程前から関節可動域制限(以下、ROM)があり、仕事に支障をきたすようになり整体や鍼灸院に通院するも変化なく、知人の紹介で来院された。
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【現症】時に夜間痛があるが、日中の安静時痛はなくROM制限を伴う左肩関節の運動痛が残存する。左肩関節のROMは自動で外転約20°、前方挙上約60°、その他のROM制限は確認していない。痛みは左肩関節全体に及ぶが特に前方が顕著である。
【施術と結果】本症例は左肩関節のROM制限を伴う運動痛を訴えているが、目視と触察により熱感や腫脹が確認できなかった為、筋緊張による血行不良であろうと考えて施術を開始した。
先ず、痛みとROM制限が著しい外転動作をしていただき、痛みの発現箇所を確認すると左大胸筋辺りを指摘された為、触察し筋緊張を確認した。筋緊張が一番強い箇所に緩消法を約1分行い筋弛緩を確認した。その結果、左肩関節外転ROMが自動で約45°になり、前方挙上ROMは自動で約145°となった。運動痛は同角度まで確認出来なくなった。効果が確認できた為、引き続き左大胸筋周辺に緩消法を行っていると左烏口突起から内方へ約5cm程の位置に筋の癒着のような明らかに筋伸縮がスムーズに行われていない箇所を触察により確認し、同箇所に緩消法を約20秒行った結果、筋伸縮がスムーズに行われる事を確認した。
その結果、左肩関節外転ROMは自動で約145°になり、前方挙上ROMは自動で約180°となり、共に痛みは10か0(NRS改変)と消失した。
その後は左肩関節周辺の筋緊張が残存する箇所に緩消法を行い筋弛緩を確認し終了した。劇的に改善した喜びで大満足です、と報告を受けた。