【患者】70代前半 男性
【主訴】7ヶ月前から左足の太ももが痺れて歩く事がつらく、病院では手術を勧められている。
【既往歴】腰椎圧迫骨折(20年前)
【現病歴】約7ヶ月前から左大腿部後面の痺れが発現し悪化傾向になり、3ヶ月程前からは生活に支障をきたす様になった。近医整形外科を受診し脊柱管狭窄症の診断を受け、痛み止めを1ヶ月服用したが変化なくブロック注射を3回打った。
医師には手術を勧められているが、ご本人は手術をしたくないと考え当院に通院中の知人の紹介で来院された。
続きを読む
【現症】左大腿部後面に椅座位からの立ち上がり時や胸腰部伸展時及び歩行時に痺れが発現する。椅座位時には症状はなく、歩行時も胸腰部を屈曲気味で歩行すれば痺れは発現しないが、数十メ-トル
が限度である。
【施術と結果】本症例は大腿部後面の痺れを訴えているが、痺れの要因は筋緊張による血行不良であろうと考察し、施術を開始した。
先ず、痺れを訴える左大腿部後面の真上に当たる左腸骨稜の上縁を触察すると筋緊張が確認できた為、同箇所に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、
椅座位からの立ち上がり時の左大腿部後面の痺れがご本人の主観で約5割軽減したとの報告を受けた。効果が認められた為、引き続き同箇所に5分緩消法を行い筋弛緩を確認したが、明らかな症状の変化が確認できなかった。
次に施術箇所を触察により筋緊張を確認した腰部側面に変更し、緩消法を約10分行い筋弛緩を確認した。その結果、椅座位からの立ち上がり時の痺れがご本人の主観で消失したとの報告を受けた。同時に歩行時の痺れも消失したとの報告を受けたが、胸腰部伸展時には痺れが発現するとの事で、引き続き腰部側面をさらに15分行い筋弛緩を確認した。その結果、胸腰部伸展時の痺れがご本人の主観で消失したとの報告を受けた。
この時点で数十メ-トル以上の歩行時の痺れの有無は確認できなかったが、ご本人的には辛い痺れの症状が消えて手術を回避できそうだという安堵感で笑顔になられた。