【患者】50代前半 女性
【主訴】1年くらい前から左肩が痛くなってきて、ここ半年前から服の脱ぎ着が辛くなってきた。
【既往歴】-
【現病歴】特に誘因なく1年程前から左肩関節痛が発現し、6ヶ月程前から悪化傾向になり可動域制限を伴うようになった。他医療機関は受診せず経過観察していたが、衣服の着脱時の痛みや就寝時に痛みで目が覚める事が起きるようになり、過去に娘さんが通院していた当院に来院された。
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【現症】左肩関節に安静時痛はなく運動痛及び関節可動域(以下、ROM)制限が認められる。自動で前方挙上約80°、水平伸展は約➖30°、外旋は約0°で痛みを訴えた。運動痛は左肩関節後方の大円筋辺りと腋窩深部の肩甲下筋辺りに発現する。結帯動作は痛みの為不可であった。
【施術と結果】本症例は左肩関節のROM制限を伴う運動痛を訴えているが、目視及び触察により熱感、腫脹が認められなかった為、筋緊張による血行不良が要因であろうと考え施術を開始した。
先ず最初に左肩関節を前方挙上をして頂き、痛みが発現する角度と痛みの箇所を確認すると自動で約80°で左肩関節後方に痛みを訴えた為、同箇所を触察したところ大円筋辺りに筋緊張を確認した。同箇所に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、左肩関節の前方挙上時の痛みが10から0(NRS改変)と消失し、ROMも自動で約135°となった。効果が認められた為、引き続き大円筋辺りの筋緊張箇所を触察により確認し緩消法を約3分行い筋弛緩を確認した。
その結果、ROMは自動で前方挙上がほぼ180°と正常になった。この時点で結帯動作を確認したが出来ない状態であった為、施術箇所を左肩甲下筋辺りに変更する事とし、触察すると筋緊張が確認できた為、同箇所に緩消法を約5分行い筋弛緩を確認した。その結果、結帯動作時の痛みが10から7(NRS改変)となり結帯動作自体も可能になった。効果が認められた為、引き続き左肩甲下筋辺りに緩消法を約10分行い筋弛緩を確認した。その結果、結帯動作時の痛みは10から5(NRS改変)となり、結帯動作時の左母指端の位置も約10cm上方になった。ROMは自動で水平伸展約10°、外旋約20°となり主観で痛みは伴うが後方に腕が回せる様になった。その後も同箇所周辺に緩消法を行ったが、それ以上の変化は確認できず当日の施術を終了した。
ただ、一度の施術で大きな効果を体験して非常に喜んでいただけた。