【患者】40代後半 女性
【主訴】約6か月前からストレッチで胡坐をかくと左膝の内側が痛くて触るとビリビリする。
【既往歴】―
【現病歴】ストレッチで胡坐をかくと左膝関節内側に痛みが出現し、触ると錯感覚を伴う。高校時代、演劇部の活動中に左股関節痛を発症したことがあり、また、約10年前にも左股関節周辺にピキッと痛みが発症し約2週間歩行困難となった経緯あり。
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【現症】胡坐をかくと左膝関節内側に痛みが出現し、触ると錯感覚を伴う。日常生活上の股関節可動域制限は確認出来なかった。
【施術と結果】本症例は、胡坐の際に左膝関節内側に痛みと錯感覚を訴えており、また、過去に二度左股関節痛を発症していることから、股関節と膝関節に関与する縫工筋周辺の筋緊張による血行不良が、痛みと錯感覚の要因と考えた。
はじめに、縫工筋の起始部である左上前腸骨棘内縁を触察したところ、筋緊張を確認した。筋緊張部位に緩消法を約3分施術し筋弛緩を確認した結果、痛みが10から8(NRS改変)と小さくなった。改善が見られたことから、さらに同部位周辺の筋緊張部位に約3分施術し筋弛緩を確認した結果、痛みが10から5(NRS改変)と小さくなった。先程と同様に筋緊張の確認と施術を繰り返し、緩消法にて約3分施術を合計3回行い、その都度筋弛緩を確認した結果、痛みが10から2(NRS改変)と小さくなり、主観で錯感覚が5割減となった。次に、縫工筋周辺の筋緊張の要因として、腰部の過緊張が誘発していると考えた。触察にて腰部の筋緊張を確認し、緊張部位に緩消法を約15分施術し筋弛緩を確認した結果、主観で錯感覚が8割減となり、痛みが10から0(NRS改変)と消失した。
膝の痛みと股関節の痛みが関係しているとは思っていなかったので知ることが出来て良かったと喜んで頂けた。約3週間後に状態を確認したところ、1回の施術で左膝関節内側の痛みと錯感覚は再発していないと喜びの報告を受けた。