【患者】70代前半 女性
【主訴】股関節が歩くと痛い
【既往歴】-
【現病歴】約5年前に誘因なく右鼠径部に痛みが出現し、その後は消長を繰り返していたが、約2週間前から誘因なく痛みが増強し、改善が見られないため当院に来院された。
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【現症】歩行時の立脚後期に右鼠径部中央に痛みが走る。しゃがみ動作は可能だが、同部位に痛みが出現する。安静時痛は無い。
【施術と結果】本症例は右鼠径部中央に歩行時痛を訴えており、痛みの要因を筋の筋緊張と考え、触察にて右鼠径部中央に筋緊張を確認し、同部位周辺の筋に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、歩行時の右鼠径部中央の痛みは変わらなかった。
症状に変化はないが右鼠径部中央の筋弛緩が足りないだけだと考え、再び右鼠径部中央周辺の筋に緩消法を約5分行い筋弛緩を確認した。その結果、歩行時の右鼠径部中央の痛みが10から8(NRS改変)に小さくなった。痛みの要因が深部の筋にあると考え、腰部の筋弛緩を行う事で右鼠径部中央の筋弛緩が行いやすくなると考え、触察にて腰部の筋緊張を確認し、腰部側面に緩消法を約15分行い筋弛緩を確認し、再度、右鼠径部中央に緩消法を約5分行い筋弛緩を確認した。その結果、歩行時の右鼠径部中央の痛みが10から4(NRS改変)に小さくなった。
症状の変化が良いため、再度、同部位に緩消法を約5分行い筋弛緩を確認し、その結果、歩行時の右鼠径部中央の痛みが10から0(NRS改変)に消失した。最後に再発を防ぐには腰部の筋弛緩が大切な事を説明し施術を終了した。帰宅時に靴を履く際に、しゃがみ動作をしても右鼠径部中央に痛みがなく大変喜ばれて頂いた。
30日後に左肩関節部の痛みで再来院し、右鼠径部は施術後から痛みが無い状態が続いていると報告を受けた。