歩行時に生じる右大腿部外側の運動痛が消失した改善例
【患者】70代前半 女性
【主訴】歩いていると右太ももの外側が痛くなり歩くのが億劫だ。
【既往歴】子宮がん術後
【現病歴】3~4年前から、誘因無く歩行時に右大腿部外側に運動痛が生じるようになった。近医整形外科にて坐骨神経痛と診断された。以降痛みは年々増悪し、最近では歩行が億劫になるほどの痛みが生じる。
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【現症】右大腿部外側に安静時痛は無し。院内を10歩程度歩行してもらうと右大腿部外側全体に運動痛が生じ、跛行症状を来たす。施術前の腰部押圧深は約2.5cm。
【施術と結果】本症例は、誘因無く右大腿部外側に歩行時の運動痛が生じており、目視と触察により腫脹や熱感が確認できないことから、右大腿部外側の筋緊張が要因と考えた。
右大腿部外側全体と広い範囲に運動痛が生じていることから、腰部の筋緊張による下肢への血行不良が右大腿部外側の筋緊張の要因と考え、腰部を触察したところ腰部全体に強い筋緊張を確認した為、先ず腰部側面から緩消法を約5分施術し筋弛緩を確認した結果、腰部押圧深は約3cmと大きくなり、歩行時に生じる右大腿部外側の運動痛は10から5(NRS改変)と小さくなった。
改善が見られた為、続けて同部位周辺に緩消法を約15分施術し筋弛緩を確認した結果、腰部押圧深は約4cmと大きくなり、歩行時に生じる右大腿部外側の運動痛は10から0(NRS改変)と消失し、10歩以上歩行を続けても跛行症状は確認できなくなった。
痛みを訴える部位には施術せず痛みが消失したことで、腰部の筋緊張が下肢の血行不良の要因であるとご納得いただけた様子だった。