【患者】60代前半 女性
【主訴】約20年前からずっと腰痛がある。寝方が悪いのか腰が痛くてよく眠れない。
【既往歴】腰椎椎間板ヘルニア
【現病歴】約20年前、近医整形外科にて腰椎椎間板ヘルニアと診断され、腰痛、右臀部痛、右下肢の感覚鈍麻のため、約1か月半の保存療法による入院歴あり。現在は整体やマッサージ指圧等に月1回から3回程度通っている。
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【現症】第4腰椎(以下、L4)棘突起より右外方3横指の脊柱起立筋周辺の深層部の痛みと、右臀部の深層部に痛みあり。また、右下肢に感覚鈍麻あり。日常生活上の胸腰部可動域制限は確認出来なかった。
【施術と結果】本症例は、約20年前の腰椎椎間板ヘルニアをきっかけに、腰部から右臀部にかけての痛みと右下肢の感覚鈍麻が継続していることから、腰部筋群の筋緊張による血行不良が痛みの要因であると考えた。
はじめに、L4棘突起より右外方3横指の疼痛部位を触察し、筋緊張を確認した。筋緊張部位に緩消法を約2分施術し、筋弛緩を確認した。結果、L4棘突起より右外方3横指の痛みは10から8(NRS改変)と小さくなった。痛みの変化があったことから、さらに同部位の筋緊張部位に約5分施術し、筋弛緩を確認した。結果、L4棘突起より右外方3横指の痛みは10から6(NRS改変)と小さくなった。
次に、L4棘突起より右外方3横指の痛みと右臀部の深層部の痛みを誘発しているのは、腰部側面の筋緊張と考え腰部側面を触察したところ、筋緊張を確認。筋緊張部位に緩消法を約5分施術し、筋弛緩を確認した。結果、L4棘突起より右外方3横指の痛みは10から4(NRS改変)と小さくなり、右臀部痛は10から8(NRS改変)と小さくなった。痛みの変化があったことから、さらに同部位の筋緊張部位に約20分施術し、筋弛緩を確認した。結果、L4棘突起より右外方3横指の痛みは10から1(NRS改変)と小さくなり、右臀部痛は10から0(NRS改変)と消失した。
右下肢の感覚鈍麻に変化はなかったが、「腰がすごく軽くなって腰の筋肉が軟らかくなっているのが自分でわかる。すごく不思議。よく眠れそうで嬉しい」と筋肉が軟らかくなったことによる痛みの変化等を実感して頂くことができた。