【患者】60代前半 女性
【主訴】2日前から急に何をした訳でもないのに右肩が激痛で昨夜も痛みで眠れなかった。
【既往歴】脳血管疾患、腰痛症
【現病歴】2日前に突発的に右肩痛が発症した。特に要因はなかった。
痛みは漸次強くなり、痛みで来院前夜は眠る事が出来なかった。時々、腰痛や肩凝りで当院に来院される為
、病院は受診せず来院された。
続きを読む
【現症】痛みは右肩関節全体から上腕部に及ぶ。安静時痛があり、右肩関節可動域(以下、ROM)は自動であらゆる動作に対して0°である。つまり、痛みで動かせない状態であった。肘関節から末梢部に異常は認められない。
【施術と結果】本症例は要因なく発症した右肩関節痛であり、触察により熱感、腫脹が確認できなかった為、筋緊張による血行不良が痛みの要因であろうと考察した。
さらに筋緊張は著明であった。この状態では右肩関節を他動的ではあっても動かして施術する事は無理であろうと判断し、根本的には右腰部側面から前面の肋骨下縁辺りの筋緊張が右肩関節周辺の筋緊張の要因であろうと考察していた為、先ずは腰部の側面から前面にかけての肋骨下縁の筋緊張を触察により確認した。同部位に緩消法を約15分行い筋弛緩を確認した。
その結果、右肩関節周辺の安静時痛が10から0(NRS改変)と消失した事の報告を受けた。ここで思わず患者さんご本人の笑顔が見られました。右肩関節ROMも自動で屈曲約80°になり、同角度での痛みは発現しなかった。
(屈曲のみ確認し、他の動作は確認せず)肩関節ROMがある程度確保できた為、次に右肩関節周辺の施術をする事にし、触察すると右大円筋辺りの筋緊張と右大胸筋辺りが全体的に筋緊張を確認できた。それぞれ約5分ずつ緩消法を行い筋弛緩を確認した。その結果、右肩関節ROMは自動で屈曲約135°になり、同角度での痛みは発現しなかった。他の動作でのROMも日常動作に於いては問題なくなった。
(計測はしていない)本当に助かりましたと感謝の意を伝えられました。