6ヶ月前のぎっくり腰以来消長を繰り返す腰痛の改善例
【患者】50代後半 女性
【主訴】6ヶ月前にぎっくり腰になって以来、病院や整骨院に通ったが良くならない。
【既往歴】ー
【現病歴】過去に何度か急性腰痛症を発症してきたが、その度に近医整形外科を受診し、痛み止めの薬を服用して寛解していた。今回は6ヶ月前に前屈みをした際にぎっくり腰を発症した。過去と同様に近医整形外科を受診し痛み止めの薬を服用し、整骨院にも通院したが消長を繰り返していた為、来院された。
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【現症】安静時痛はないが、動作痛が著明で、歩行時、胸腰部屈曲時、
座位からの立ち上がり時等の動作開始時に強度の痛みが発現する。痛みの発現箇所は左右仙腸関節周辺である。腰部を支えていないと動作が困難な為、絶えずコルセットを装着し、動作はゆっくりである。
【施術と結果】本症例は6ヶ月前のぎっくり腰以来続く腰痛であり、触察と目視により痛みを訴える左右仙腸関節周辺に熱感、腫脹が認められなかった為、筋緊張による血行不良が痛みの要因であろうと考えた。
先ず左右仙腸関節周辺に圧痛があるかを確認するも圧痛は確認できなかった。その結果から、痛みの根本的な要因は腰部深層筋の筋緊張であろうと考察し、腰部側面の表層部から深層筋へと筋弛緩していく事とし、触察により筋緊張を確認し、同部位に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、座位からの立ち上がり動作痛及び歩行痛が10から8(NRS改変)となった。
効果が認められた為、引き続き同部位に緩消法を約15分行い筋弛緩を確認した。押圧深は施術開始時は約1cmであったが約4cmになり、座位からの立ち上がり動作痛及び歩行痛は10から5(NRS改変)となり、胸腰部関節可動域(以下、ROM)は自動で約20°となり、同角度での痛みが消失した。
引き続き腰部側面から中心部にかけて施術範囲を広げ約15分行い、筋弛緩を確認した。その結果、押圧深は約5cmになり座位からの立ち上がり動作痛及び歩行痛は10から0(NRS改変)と消失した。胸腰部ROMは自動で屈曲約45°になり、同角度での痛みは消失した。一度の施術で痛みが消失した事の驚きと喜びの笑顔が溢れました。