【患者】20代前半 女性
【主訴】肩をすくめた後どんっと肩の力を抜いたら、右手の小指に痺れが出る。
【既往歴】両手首腱鞘炎
【現病歴】1ヶ月程前から、両肩甲骨を挙上した後、脱力して両肩甲骨を下制すると、右小指に痺れが生じる。音大の大学院でピアノを弾いており、演奏前に肩の力を抜くためにこのような動作を行う。ここ1ヶ月はコンサート試験に向けて練習量が増していた。
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【現症】右肩甲骨挙上後、脱力して右肩甲骨を下制すると右小指に痺れが生じる。安静時に右小指に痺れは無し。
【施術と結果】本症例は、右肩甲骨の挙上・下制運動により右小指に痺れが生じており、目視と触察により右小指に腫脹や熱感が確認できないことから、右肩部から右小指にかけての筋緊張が要因と考えた。
先ず、右小指の痺れの要因と考えられる右肘関節内側を触察したところ筋緊張を確認した為、緩消法を約1分施術し筋弛緩を確認した結果、右肩甲骨挙上・下制運動による右小指の痺れは主観により約1割減少したと報告を受けた。改善が見られた為、続けて同部位周辺に緩消法を約2分施術し筋弛緩を確認した結果、右肩甲骨挙上・下制運動による右小指の痺れは主観により約1割減少したと報告を受けた。
右肘関節内側周辺を再度触察したところ筋緊張は確認できなかったが、右肩甲骨挙上・下制運動による右小指の痺れが約8割残存している為、右上肢の筋緊張の要因と考えられる右腋窩を触察して筋緊張を確認し、緩消法を約2分施術し筋弛緩を確認した結果、右肩甲骨挙上・下制運動による右小指の痺れは主観により約5割減少したと報告を受けた。改善が見られた為、続けて同部位周辺に緩消法を約3分施術し筋弛緩を確認した結果、右肩甲骨挙上・下制運動による右小指の痺れは主観により約9割減少し、ほぼ感じられなくなったと報告を受けた。
再発防止の為、右肩部から右小指にかけての筋緊張の要因と考えられる腰部右側面に緩消法を約15分施術し筋弛緩を確認した結果、施術終了時には右肩甲骨挙上・下制運動による右小指の痺れは主観により消失したと報告を受けた。
何度も両肩甲骨を上下させながら「痺れが出ない」と笑顔で喜びの声を頂いた。