結髪動作困難であった左肩関節痛の改善例

【現症】左肩関節可動域（以下、ROM）は自動にて屈曲約80°で左上腕骨の大結節稜周辺に痛みが出現。
【施術と結果】本症例は、左肩関節の屈曲動作時に左上腕骨の大結節稜周辺に痛みを訴えていることから、その要因として左上腕骨の大結節稜周辺に付着する筋の筋緊張によるものと考え触察したところ、左肩関節周辺、背部から腰部までの広範囲で筋緊張を確認した。
　 はじめに、左肩ROM制限があることから左腋窩の前壁周辺を触察したところ、左大胸筋遠位1/4付近に筋緊張を確認したため、緩消法を約2分施術し、筋弛緩を確認した。結果、左肩ROM屈曲約80°での痛みは10から8（NRS改変）と小さくなった。痛みの変化があったことから、さらに同部位周辺の筋緊張部位に約5分施術し、筋弛緩を確認した。結果、左肩ROM屈曲約80°での痛みは10から6（NRS改変）と小さくなり、左肩ROMは自動にて屈曲約100°と大きくなった。
　 次に、左腋窩の後壁周辺を触察したところ、左大円筋遠位1/4付近に筋緊張を確認したため、緩消法を約5分施術し、筋弛緩を確認した。結果、左肩ROM屈曲約80°での痛みは10から4（NRS改変）と小さくなり、左肩ROMは自動にて屈曲約110°と大きくなった。
最後に、背部から腰部までの広範囲の筋緊張を弛緩するため、仰臥位にて腰部側面に緩消法を約40分施術し、筋弛緩を確認した。結果、左肩ROM屈曲約80°での痛みは10から2（NRS改変）と小さくなり、左肩ROMは自動にて屈曲約120°と大きくなった。
　 長年後頭部まで届かなかった左手が届くようになり、また体がフワッと軽くなったと大変喜んで頂けた。