【患者】80代後半 女性
【主訴】普段から右耳では電話も聞こえにくかったのだが、虫の音が聞こえていないという事に気付いて、季節を感じられず寂しい
【既往歴】変形性股関節症 老人性難聴
【現病歴】約20年前から、電話を右耳で受けると聞こえにくい事から、難聴のような症状に気付いたとの事、昨年、秋頃に近位耳鼻咽喉科を受診した所、耳垢も多く溜まっていた為、耳垢除去によりわずかには改善したが、未だ左右差は大きくあるとの事だった。
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【現症】約1m前方のモノラルスピーカーからの音楽を聴かせたところ、左耳の聴こえに対し、右耳の聴こえは主観で3割程度との事だった。
【施術と結果】本症例は、難聴症状を訴えている事から、聴覚に関連する器官への血行不良を疑い、下顎角後部から頚部側面にかけて触察、健側と比して、患側に筋緊張を確認した為、緊張部位へ施術する事とした。
開始から約2分、筋弛緩を確認、聴こえの左右差は感じられなくなったと報告を受けた。まだ緊張は残存していたが、他の症状の施術中に相談を受けたものであった為、この時点で難聴症状への施術は終了した。翌日「久しぶりに虫が鳴いてる声を聴いた」と喜びの報告を受けた。
【その他】本症例の患者は、右腰、右股関節にも痛みを訴えており、腰部の筋緊張も強く感じられる為、今後は腰部の筋弛緩も併せて行い、経過を観察したい症例であった。