【患者】 80代前半、女性
【既往歴】 腰椎椎間板ヘルニア術後(2014年)
【主訴】 約9ヶ月前から突然、右足が痛くなりじっとしていても痛いし、痛いので歩くのが怖い。
【現病歴】 約9ヶ月前から誘因なく右下肢に安静時痛、歩行時荷重痛が出現する。
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【現症】安静時痛あり、持続的な痛みではなく突然強い痛みが右膝内側、右鼡径部、右下腿外側に不規則に起こり、痛みは約10秒間続く。歩行では痛みのため、踵から接地する事が出来ずに足底から接地し「痛い、痛い」と言いながら一歩一歩進んでいる。 胸腰部関節可動域は自動伸展約-15°。
【施術と結果】 本症例は、約9ヶ月前から誘因なく右下肢に安静時痛、歩行時荷重痛が出現しているが、外傷性の痛みではない事と過去に腰椎椎間板ヘルニアの既往がある事から、腰部の筋緊張による血行不良が要因だと考えた。
触察により第3腰椎から第5腰椎高位で棘突起から右外側約7㎝の範囲に筋緊張を認め、緩消法にて5分施術し筋弛緩を確認した結果、歩行時荷重痛が10から7(NRS改変)と小さくなった。
腰部の筋緊張は腰部側面の筋緊張が要因と考え、触察したところ腰部右側の押圧深は約2.0cmで筋緊張があることを確認し同部位に30分施術した結果、押圧深は約4.0cmとなり筋弛緩を確認した。歩行時荷重痛は10から2(NRS改変)と小さくなり、踵から接地できる様になり跛行が消失し歩行速度は主観で速くなった。また、安静時痛も消失し、胸腰部関節可動域は自動伸展約-5°となった。
帰り際に「これでもう安心です。本当に助かりました」と感謝のお言葉をいただいた。