【患者】50代前半 女性
【主訴】左首の痛み
【既往歴】ー
【現病歴】4日前に左方向から子供に衝突され、左肩峰付近に強く当たった。転倒はしなかったが、直後より左肩甲上部に発痛。2日前まで就寝時の夜間痛もあったが、昨夜は出なくなった。
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【現症】頸部関節可動域(以下、ROM)自動、左回旋約30°で左肩甲上部に発痛。左上腕への接触部位に痛みはないが左上肢に倦怠感がある。
【施術と結果】本症例は、主訴は左頸部の痛みでしたが、左肩甲上部に頸部左回旋時の発痛と左上肢の倦怠感を訴えており、目視・触察にて熱感、腫脹は確認できなかったことから、痛みは、衝突の衝撃による筋緊張による血行不良が要因と考えた。
触察にて、第2胸椎(以下、T2)高位から第4胸椎(以下、T4)高位棘突起より左側から肩甲骨内側縁に筋緊張を確認。頸部左回旋時に一番痛みを訴えるT3高位左側の筋緊張部位に約30秒施術し、筋弛緩を確認した結果、頸部左回旋時ROM約30°での痛みが10から3(NRS改変)となった。更にT2からT4の残存している筋緊張部位に約3分施術し、筋弛緩を確認した。結果、頸部左回旋時ROMは約60°までなったが、その時点で小菱形筋と思われる筋に痛みが残存した。触察にて筋緊張は確認できなかった為、次に、上肢の倦怠感の変化を確認できない状況であったので、上肢の倦怠感の施術を行うこととした。
上肢の倦怠感は筋緊張による血行不良を推測し、左腋下を触察したところ、烏口腕筋と思われる筋に約2cm大の筋緊張を確認した。約1分施術し約2cm大の筋緊張の消失を確認した結果、患者さん主観で倦怠感が無くなり、腕に血が通っていると言われた。頸部左回旋時の小菱形筋周辺の痛みも確認したところ、痛みも10から0と消失した。
腋下の筋弛緩で肩甲骨上部の疼痛が解消したことに患者さんも驚かれておりましたが、新たな発見でありました。