圧迫骨折を2度され、仰臥位が困難になった臀部痛の改善例

【現症】右臀部は椅坐位よりも立位の方が痛みが強く、胸腰部は立位時、胸腰部関節可動域（以下、ROM）自動約－１０°ではあるが、股・膝関節ROMには制限を確認できなかった。圧迫骨折後と思われる周辺に筋緊張を確認。除草作業、掃除機かけ、パソコンなど同じ姿勢を続けていると腰痛が増悪する。
【施術と結果】本症例は、一年前頃より増悪傾向にある臀部痛を訴えており、目視・触察にて熱感や腫脹が確認できなかったことと、日常の動作が可能であることから、腰部の筋緊張による臀部への血行不良が痛みの要因と考えた。
　 触察にて、腰部右側面の体表からの押圧深約2cmの筋、右臀部の腸骨稜上縁に筋緊張を確認した。先ず、腰部側面の筋緊張部位に約２分施術を行い、押圧深約3cmになり、立位での痛みを確認。痛みは１０から８（NRS改変）となった為、さらに押圧深約5cmになるまで約8分施術した結果、立位での痛みが10から5（NRS改変）となり、右臀部の痛む面積が狭くなって、仙腸関節右側に近い箇所のみに痛みを感じるとご本人から報告を受けた。
　 次に痛みを訴える箇所から上方に辿った腸骨稜上縁の筋緊張箇所に約5分施術し、筋弛緩を確認した結果、立位での痛みは10から0と消失した。このことを受けて、仰臥位での右臀部の痛みを確認していただくと、発痛は起こりませんでした。
　 立位約10°の前傾姿勢も約５°になり、背筋が伸びたと仰られておりました。