【患者】50代後半、女性
【主訴】左の腰が痛い。前かがみがしにくい。
【既往歴】車にはねられ全身打撲で約2ヶ月入院(20代前半)
【現病歴】前述既往歴以来、腰痛で通院することが度々ある。痛みが強い時は、ブロック注射やトリガーポイント注射を打ったこともある。30代の時、MRIで腰椎椎間板ヘルニアを指摘された。40代の頃から痛みの出現頻度が増えた。約2年前、特に誘因なく腰痛が悪化。近医整形外科にて、急性腰痛症の診断を受けた。それ以降、腰部に痛みが残存しており、現在も他院で通院リハビリを行っている。本日も行ってきた。
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【現症】椅座位からの起立動作にて、腰背部左側に痛みあり。胸腰部関節可動域(以下、ROM)は、前屈約20°で痛みあり。
【検査所見】下肢の神経学的異常なし
【施術と結果】本症例は、左腰腸肋筋第2・3腰椎高位に痛みを訴えている事から、痛みを訴える箇所に筋緊張があると考えた。まず、施術者①が、触察にて健側と比して、強い筋緊張を確認。その部分に、直接緩消法を施術する事とした。
開始から約2分後、筋弛緩を確認。主観で「なんか楽になってきた」という報告を受けた。また、椅座位からの起立動作での痛みは10から5(NRS改変)と小さくなった。効果があったため、続けて同部位に実施。約10分後、椅座位からの起立動作での痛みは10から0(NRS改変)と消失した。
次に、訴えている部分の痛みは腰部側面の筋緊張と関連があると考え、施術者②が腰部側面に施術。約20分後、同部の筋弛緩を確認。小指押圧深は施術前の約2.5cmから約4cmに改善。胸腰部前屈ROM約20°での痛みは、10から0(NRS改変)と消失し、約45°まで可能となった。また、主観で「朝リハビリを受けた後より、動く範囲が大きくなった」と喜びの報告を受けた。この時点で、他の症状が気になるので別の施術を依頼され、本症例の施術は終了した。
【その他】本症例は、当院にて、緩消法認定技術者の①渡邉・②筆者の2名で順次施術を行った症例であり、施術者を変更しても緩消法の効果を確認出来た症例であった。尚、本症例の検査は②が行った。