【患者】70代前半、女性
【既往歴】―
【主訴】3年以上前から首が回りにくい。
【現病歴】5年以上前から回旋動作時に頚部に痛みを感じていた。3年ほど前から悪化傾向にあり、左右ともに回旋すると頚部から肩部にかけて痛みが生じる。
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【現症】安静時痛はなし。頚部関節可動域自動運動にて右回旋約10°で右僧帽筋上部線維に、左回旋約30°で左僧帽筋上部線維に痛みが発生する。
【施術と結果】本症例は痛みによる頚部の回旋動作困難を訴えており、要因として両僧帽筋上部線維の筋緊張が考えられた。
まず、頚部右回旋が特に困難に感じられるため、右僧帽筋上部線維を触察したところ、第2頚椎高位で右側に約3cmの部位に筋緊張を確認。緩消法にて約30秒弛緩したところ、頚部右回旋約10°での痛みは10から0(NRS改変)と消失し、頚部右回旋約45°まで可能となった。痛み・可動域ともに改善がみられたため、引き続き同部位を緩消法にて約30秒弛緩したところ、頚部右回旋約45°での痛みは 10から0(NRS改変)となり、可動域制限は確認できなくなった。
次に、左僧帽筋上部線維を触察したところ、第2頚椎高位で左に約3cmの部位に筋緊張を確認。緩消法にて約30秒弛緩したところ、頚部左回旋約30°での痛みは10から5(NRS改変)となった。痛みに改善がみられたため引き続き同部位を緩消法にて約30秒弛緩したところ、頚部左回旋約30°での痛みは10から0(NRS改変)となり、可動域制限は確認できなくなった。
ご本人の希望で短時間の施術となったが、「首はこんなに動くのですね。こんなに自由に動くことを忘れていました。」と驚きの表情であった。