2日前の走行中発症した10代少年の成長痛と思われる左膝痛の改善例
【患者】10代前半 男性
【主訴】2日前の学校の休み時間に走ったら急に左膝が痛くなった。
【既往歴】➖
【現病歴】本症例の患者さんは現在中学2年生で小学4年生からバスケットボールをクラブチームでやっていて現在は部活と並行して活動している。これまで左膝痛を発症した事はなく、今回が初めてである。
休み時間にダッシュをした際に痛みを感じ、翌日、近医整形外科を受診し検査の結果は外傷ではないとの事。
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【現症】痛みを訴える箇所は左脛骨粗面に限局され、左脛骨粗面に膨隆は確認できる。安静時痛はなく痛みは運動痛のみであり、主に走行時、膝関節屈曲90°で痛みが発現する。
膝関節可動域(以下、ROM)は自動で屈曲約90°である。
【施術と結果】本症例は2日前の走行中に発症した脛骨粗面周辺の運動痛であるが、近医整形外科の診断及び実際に触察し脛骨粗面周辺に熱感、腫脹が確認できなかった為、痛みの要因は筋緊張による血行不良であろうと考察した。さらに脛骨粗面の膨隆も確認できた為、大腿四頭筋辺りの筋緊張による牽引痛であろうと考え、先ず左大腿直筋の付着部である左下前腸骨棘周辺の筋緊張を触察により確認し、同部位に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。
その結果、走行時痛は10から0(NRS改変)と消失した。また、左膝関節90°時の痛みも10から0(NRS改変)になり、蹲踞が出来るようになった。但し、蹲踞時の痛みは存在した為、さらに左下前腸骨棘周辺の筋緊張部位を触察により確認し、緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、蹲踞時の痛みは10から7(NRS改変)となった。この時点で同部位の明らかな筋緊張部位が確認できなくなった為、施術ポイントを大腿四頭筋辺りに移動し、触察により確認した膝蓋骨上縁から近位約10cmから約20cmの範囲の筋緊張部位に緩消法を約5分行い、筋弛緩を確認した。その結果、蹲踞時の痛みは10から5(NRS改変)となった。
ここで完治を目的とし、根本的に下肢痛の要因と考える腰部の筋緊張を触察により確認し、腰部側面から緩消法を約25分行い筋弛緩を確認した。押圧深は約1cmから約4cmになった。その結果、蹲踞時の痛みは10から2(NRS改変)となり、付き添いで見学していたお父様も凄いと驚かれていました。
これで様子を見るという事で喜んで帰路につかれました。