【患者】70代前半 女性
【主訴】腰の左側と臀部が痛い
【既往歴】肺結核術後、卵巣腫瘍術後、脊柱管狭窄症
【現病歴】3日前に畑作業中に腰部左側に違和を感じた。翌朝になり痛みが発生し、寛解傾向にあるが、一週間後に外出予定の為、早く解消したいと思われご来院された。
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【現症】安静時痛は無く、歩行は可能だが臀部左側の仙腸関節周辺に痛みが生じる。また、胸腰部関節可動域(以下、ROM)は無いが前屈(しゃがむ)動作で第4、5腰椎(以下L4,5)棘突起左側の筋に発痛が生じる。
【施術と結果】本症例は、胸腰部ROM制限は無く、寛解傾向にあることと、目視、触察にて熱感、腫脹は確認できなかったことから臀部左側の仙腸関節周辺と、L4,5棘突起左側の痛みは、腰部の筋緊張による血行不良が要因と推測した。
先ず、痛みを訴える腰部を触察したところ、L4,5高位左側の起立筋に筋緊張を確認した。併せて腰部側面の体表より押圧深約2cmの箇所に筋緊張を確認した。腰部側面の筋弛緩にて起立筋の筋弛緩を行っていこうと考えた為、腰部側面の筋緊張部位に約2分施術し、押圧深約3cmになった結果、前屈時痛は10から5(NRS改変)となり、臀部左側の痛みの面積が小さくなったとご本人から報告を受けた。再び、押圧深約5cmになるまで約8分施術した結果、痛みは10から2(NRS改変)となり、臀部左側の痛みは10から3となった。
次に、臀部左側の痛みを訴える部位の上方、腸骨上縁に筋緊張を確認し約5分施術し、筋弛緩を確認した結果、臀部左側の痛みは10から0と消失した。次に、L4,5高位左側の起立筋に約5分施術し、筋弛緩を確認した結果、前屈時痛は10から1となった。蹲踞の姿勢を取りながら、これなら気にならないと笑顔でお帰りになられました。