【患者】60代後半、男性
【主訴】首が動かし辛く、首周りが全体的に重い。
【現病歴】10年程前から慢性的に頚部周辺に重さを感じ、3年程前から頚部関節可動域(以下、ROM)が小さくなっている。
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【現症】安静時痛は無し。頚部関節可動域(以下、ROM)は自動で、左回旋約20°・右回旋約20°でROM制限あり。
【施術内容・結果】本症例は、慢性的な症状である事から、頚部周辺の重さと頚部ROM制限の要因は頚部周辺の筋緊張によるものと考えた。また頚部周辺の筋緊張の要因の一つとして腰部の筋緊張があると考えた。
触察により、頚部左側・右側共に第5頚椎から第6頚椎高位の頚部背側に筋緊張を確認。
初めに頚部左側の筋緊張部位に緩消法を約1分施術し筋弛緩を確認した結果、頚部ROMは自動で左回旋約30°と大きくなった。同様に頚部右側も緩消法で施術し、筋弛緩確認後の頚部ROMは自動で右回旋約30°と大きくなり、頚部周辺の重さ感を確認したところ、主観で約2割小さくなったとの報告を受けたため、引続き同部位を約3分施術。筋弛緩を確認した結果、頚部ROMは自動で右回旋約50°・左回旋50°と大きくなったが、頚部周辺の重さ感は主観で4割減であった。
頚部ROM制限の改善に比べ、頚部周辺の重さ感の変化が少なかった為、頚部の筋緊張の要因の一つとして考えた腰部の筋緊張の確認のため触察すると、第2腰椎高位棘突起より左右外側約7cmの部位に筋緊張を確認した為、筋緊張部位に緩消法を約2分施術。
筋弛緩を確認後、頚部周辺の重さ感は主観で約5割小さくなったと報告を受けたため、引き続き同部位周辺に緩消法を約10分施術し筋弛緩を確認した結果、頚部周辺の重さ感は主観で消失したと報告を受けた。
施術後、運転席で左右確認してもらうと、来院時よりも視界が倍になったと喜んでいた。