【患者】50代後半 女性
【主訴】右腕から親指と人差し指が痺れている。特に親指に痺れ感が強い
【既往歴】卵巣嚢腫
【現病歴】弓道で弓を射る練習をしていて、射るフォームを改良するため、右肩を背側に維持しようとすることを繰り返していた。練習後から右腕が重く感じるようになり、2週間前頃から右腕から右母指・示指に痺れを感じるようになった。
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【現症】仕事でパソコンを使用しているが、時折、肩関節を回したり、腕を伸ばしたりしたくなる。右三角筋前部周辺と上腕筋周辺に痺れ感があり、右腕橈骨筋、長橈骨手根伸筋周辺を触れると母指への痺れ感が増す。来院時は、示指には痺れは殆ど感じない。
【施術と結果】本症例は、右上腕から母指にかけての痺れを訴えており、目視・触察にて腫脹や熱感が無いことから、要因は上腕から前腕の筋群の筋緊張による血行不良と推測した。また、弓を引く動作を反腹していたことが誘因となったことを踏まえ、右肩甲骨背部の筋群(棘下筋、大円筋、小円筋)の筋緊張と上肢の筋緊張は胸腰部の筋緊張も関連していることも推測した。
先ず、現症での訴えのあった右腕橈骨筋、長橈骨手根伸筋を触察し、筋緊張を確認。痺れによる苦痛を確認しながら右腕橈骨筋に約2分施術し、筋弛緩を確認した結果、母指の痺れは患者さん主観で3割減。長橈骨手根伸筋に約1分施術し、筋弛緩を確認した結果、患者さん主観で痺れ5割減と報告を受けた為、右腕橈骨筋を更に約5分施術し、筋弛緩の面積を拡げた結果、約7割減と報告を受けた。
次に、右背部肩甲骨周辺を触察すると、大円筋に筋緊張を確認し、約2分施術を行い筋弛緩を確認した結果、痺れは無くなったと報告を受けた。肩関節を回す動作を行いながら、関節可動域に問題は無いが、左肩関節に比べて右肩関節の回しにくさを訴えられたため、胸腰部側面を触察したところ、胸腰部右側第2腰椎高位より約2cm外側周辺に筋緊張を確認(押圧深は表面より約2cm)した為、同部位に約10分施術をし、筋弛緩を確認。
胸腰部側面の押圧深は約5cmとなった結果、ご本人主観で肩関節の自動での動きに左右差が無くなったことに喜ばれ、胸腰部の筋弛緩で肩関節の可動域が拡がったことに驚かれておりました。