【患者】40代後半 女性
【主訴】下を向いている時間が長くなると首から後頭部が痛くなり、今は首の後側の後頭部から肩に硬さが残っているような違和感がある。
【既往歴】ー
【現病歴】2か月前頃より、仕事などで下を向く作業をしていると頚部背側から後頭部にかけて凝り感から痛みに変わってくる
寛解と増悪を繰り返していたが、最近は後頭部に硬さが残っているような違和感が常にある。
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【現症】後頭部から頚部背側に筋緊張のような違和感。頚を伸展させると痛みが出る。頚部関節可動域(以下、ROM)自動、伸展約30°で後頭部から頚部背側の第2頚椎(以下、C2)高位周辺に痛みが発生する。
【施術と結果】本症例は、後頭部から頚部背側C2周辺に痛みを訴えており、吐き気などの症状は無いとのことと、長期に症状の寛解と増悪を繰り返していることから、関連する僧帽筋、広背筋を含む胸腰部の筋群の筋緊張も視野に入れ、痛みの要因は後頭部から頚部後側の筋緊張による血行不良と推測した。熱感、腫脹は確認できず、触察にて、後頭骨下縁から頚部背側に筋緊張を確認した。
先ず、後頭骨下縁の僧帽筋に約1分施術し筋弛緩を確認した結果、頚部ROM自動、伸展約40°となり、違和感はご本人主観で約5割減少したが、後頭部の後頭前頭筋周辺に違和感が残っていると言われた為、同部位に約1分施術し筋弛緩を確認した結果、違和感は無くなったと報告を受けた。しかし、頚部ROM自動、伸展に変化がみられなかった。
その為、関連する胸腰部の筋弛緩を行うために背部筋群の触察を行ったところ、第10胸椎(以下、T10)から第12胸椎(以下、T12)周辺の筋に筋緊張を確認した。T10よりT12周辺の筋緊張部位に約1分づつ、計3か所、約3分施術し、筋弛緩を確認した結果、頚部ROM自動、伸展約50°となった。ご本人主観で更に楽になったと報告を受けた。
筋緊張によりROM自動に制限が発生していたが、関連する筋の弛緩によってROM自動に改善が見られた一例であった。