【患者】10代前半 男性
【主訴】歩くときに左足を着くと左股関節辺りから足首まで痛みが走る
【既往歴ー
【現病歴】体幹トレーニング中に腰部左側に張りを感じたが、動作に支障が無かった為、そのまま続けていたが、短距離ダッシュをやり始めた際に左股関節に痛みが出始め、走れなくなった。休憩後に歩き始めたら、荷重時に左股関節から足首まで痛みが発生し、跛行してしまう。
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【現症】安静時痛は無いが、左下肢への荷重時に左股関節から足首まで痛み、左膝関節(以下、ROM)自動、屈曲約20°で左大腿に痛みが発生する。
【施術と結果】本症例は、左下肢への荷重時に左股関節から足首まで痛み、左膝関節屈曲時に左大腿に痛みを訴えており、目視と触察にて、熱感や腫脹・組織損傷が確認出来なかったことから、左下腿の筋緊張が痛みの要因であると考えた。また、腰部全体の筋緊張が左下腿の筋緊張を誘発していることも推測した。
先ず、左下肢への荷重時と左膝関節屈曲時に最も痛みを強く訴える左股関節周辺を触察したところ、下前腸骨棘周辺の大腿直筋起始部周辺に筋緊張を確認した。約2分施術し筋弛緩を確認したところ、荷重時の痛みは10から6(NRS改変)となり、左膝ROM自動、屈曲約20°での痛みは10から5(NRS改変)となった。痛みに変化が確認できたため、引き続き同部位を約3分施術し筋弛緩を確認したところ、荷重時の痛みは10から4(NRS改変)となり、左膝ROM自動、屈曲約20°での痛みは10から0(NRS改変)となり、左膝ROM自動、屈曲約90°となった。
大腿直筋起始部周辺の筋は比較的弛緩したが、痛みが残存する為、左下肢の筋緊張を誘発すると考えられる腰部側面への施術に移った。腰部側面を触察し、体表より押圧深約3cmに筋緊張を確認した。約5分施術し、押圧深約5cmに筋弛緩を確認したところ、荷重時の痛みは10から0(NRS改変)となり、跛行なく歩行が可能になったが、左膝ROM自動、屈曲には変化が無かった為、左膝屈曲時に痛みを訴える部位を触察し、筋緊張を確認できた膝蓋骨上位の大腿直筋に約5分施術し、筋弛緩を確認したところ、左膝ROM自動、屈曲約120°まで可能となった。