【患者】20代前半 男性
【主訴】 右腕を上げようとしたときに肩の前側に引っ張られるような痛みが出て真上まで上げられない。
【既往歴】ー
【現病歴】3週間前に衣服の着用時に右肩に可動域制限が現れた。安静時痛は無い。
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【現症】右肩関節の動きの確認を行った結果。右肩部関節可動域自動(以下、ROM)は屈曲約135°で、肩関節の前面周辺に痛みが発生し、そのまま屈曲を続けようとすると右腕が外側に反れてしまう。
【施術と結果】本症例は、右腕挙上時に右肩部関節腹側の痛みと可動域制限を訴えており、熱感、腫脹は確認できなかったことから、右肩関節腹側周辺の筋群(大胸筋、小胸筋、烏口腕筋、三角筋前部)の筋緊張による血行不良が要因と推測した。
触察にて痛みを訴える部位に筋緊張を確認し、約1分施術し、筋弛緩を確認した結果、右肩部自動ROM屈曲約140°となった為、約5分同じ部位と周辺筋群(烏口腕筋、小胸筋と思われる)に施術を行い筋弛緩を確認した結果、右肩部自動ROM屈曲約150°となった。
比較的肩関節周辺の筋群の筋弛緩がみられていたことから、右肩関節周辺から鎖骨下部の筋緊張に関連している腰部や下部肋骨周辺の筋を触察すると、右腹斜筋周辺に筋緊張を確認した。同部位に約3分施術し、筋弛緩を確認した結果、右肩部自動ROM屈曲約180°となり、真上に挙上可能となった。筋緊張により自動ROMに制限が発生していたが、関連する筋の弛緩によって自動ROMに改善が見られた一例であった。