【患者】40代前半 女性
【主訴】3週間前にコロナに感染した後から頭痛が続いている。
【既往歴】腰痛症
【現病歴】今までも時に片頭痛が発現する事はあったが、鎮痛薬を服用すれば直ぐに痛みは治まっていた。
しかし、約3週間前にコロナウイルスに罹患し、寛解後も片頭痛が続き鎮痛剤を服用しても痛みが治らず来院された。
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【現症】片頭痛発現の部位は前頭部を除く頭部全体で第一疼痛部位は後頭部であり、次に側頭部(左右の優位性はない)である。痛みの程度はご本人の主観としては中程度であり、過去に経験のある痛みの認識である。脳外科への受診はない。
【施術と結果】本症例は頭痛を訴えていて、脳外科の受診がなく脳疾患の可能性もあったのだが、ご本人の主観として痛みの程度が強度ではなく、過去に経験のある痛みの認識であった為、頚部の筋緊張による血行不良が頭痛の要因であろうと考え、頚部全体の筋緊張を触察により確認した。そして頚部の筋緊張を弛緩させ頭部への血行不良を改善させた結果を確認した上でその後の対応を考える事として、施術を開始した。
最初に第一疼痛部位である後頭部の痛みに対する施術ポイントを左右後頭顆周辺と考え触察により、筋緊張を確認した。先ず右後頭顆周辺の筋緊張部位に緩消法を約30秒行い筋弛緩を確認した。その結果、後頭部右側の痛みが10から0(NRS改変)に消失した。後頭部左側は痛みが残存していた事を確認した為、次に左後頭顆周辺の筋緊張部位に緩消法を約30秒行い筋弛緩を確認した。
その結果、後頭部左側の痛みは10から0(NRS改変)と消失した。
この痛みが消失した結果から今回の頭痛の要因は頭部への血行不良であろうと再認識した。
引き続き、第二疼痛部位は左右側頭部(左右の優位性はない)である為、側頭部の痛みの要因として頚動脈周辺の筋緊張による頭部への血行不良であろうと考え、触察により頚動脈と思われる周辺の筋緊張を確認した。先ず右頚動脈と思われる周辺の筋緊張部位に緩消法を約1分行い筋弛緩を確認した。その結果、右側頭部の痛みは10から0(NRS改変)と消失した。引き続き左頚動脈周辺の筋緊張部位に緩消法を約1分行い筋弛緩を確認した。その結果、左側頭部の痛みは10から0(NRS改変)と消失した。後頭部も含め、僅か3分程で痛みが消失した事に驚かれ、笑顔が溢れました。残りの時間は頚部の筋緊張の根本は腰部の筋緊張と考えご本人にも説明し、腰部の筋緊張を触察により確認し、同部位に緩消法を約30分行い筋弛緩を確認し終了した。