【患者】60代前半 女性
【主訴】股関節が痛くて、社交ダンスをする時にキックアクション(立位で右股関節屈曲90°の状態で、右下腿を蹴るように前へ出す動作)ができない。右腿を90°に上げられない。
【既往歴】股関節術後(約20年前、詳細不明)、膝関節術後(約15年前、詳細不明)
【現病歴】約10年前から社交ダンスを始め、約1年前から股関節痛によりキックアクションができなくなった。
右股関節屈曲約70°時のキックアクションは可能。左下肢でのキックアクションは可能。
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【現症】右股関節の安静時痛はなし。右股関節可動域(以下、ROM)屈曲約90°で痛みが発生する。
【施術と結果】本症例は右股関節の痛みを訴えており、右股関節の痛みの要因は右鼡径部の筋緊張と考えた。右鼡径部周辺部を触察したところ、右鼡径部中央に筋緊張を確認した。
右鼡径部中央に緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した。その結果、右股関節ROM屈曲約90°の痛みは10から5(NRS改変)と小さくなった。痛みに変化があったため、同部位に約5分緩消法を行い、筋弛緩を確認した。
その結果、右股関節ROM屈曲約90°の痛みは10から3(NRS改変)と小さくなった。次に社交ダンスのキックアクションがしたいとの本人の主訴であるが、立位で右股関節屈曲約90°時に右膝関節伸展約−10°となってしまうため、要因として右上前腸骨棘周辺の筋緊張と考え、右上前腸骨棘周辺を触察したところ、右上前腸骨棘周辺部に筋緊張を確認し、緩消法を約5分行い、筋弛緩を確認した。
その結果、右股関節ROM屈曲約90°の痛みは10から0(NRS改変)と消失し、立位での右股関節屈曲約90°の状態で右膝関節伸展約0°の動作が可能となった。「足運びが軽くなり、キックアクションができる」と喜んでいただけた。